レーヴァティン
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第二百五十二話 統一を経てその十四
「それが世の中だ」
「その時業績はよくとも」
「やがて落ちる、悪評と共にな」
そうなるというのだ。
「そしてそうした企業の業績はな」
「落ちれば」
智は鋭い声で述べた。
「まさにでござる」
「奈落に向かうな」
「文字通り一直線に」
「急降下していく」
「そうなるでござる」
「そして破産する」
企業としてそうなるというのだ。
「そうなるものだ」
「左様でござるな」
「だから俺はな」
「褒美は弾み」
「休ませもしてな」
そうしてというのだ。
「長くだ」
「それと共に確かにでござるな」
「働いてもらう」
「そうでござるな」
「人はものではない」
こうも言った。
「もっと言えばものでもな」
「心ある人は粗末にしないでござる」
「そうだな」
「ものも長く使えば」
智は英雄に話した。
「心が宿るでござる」
「そうだな」
「付喪神にもなるでござる」
「付喪神は妖怪だがな」
「さらに長く経てばでござる」
その付喪神がというのだ。
「本物の神になるでござる」
「そうだな、ものがそうであるならな」
「人はなおさらでござる」
「命あるものはな」
「犬や馬にしても」
「大事にすることだ」
「使い捨てなぞもっての他でござる」
「人を使い捨てにする奴は程度が低い」
英雄は言い切った。
「部活で己の虐待で来なくなった、指導力不足でまとまらなくなった部員にすぐに期待しないと言う」
「まず己の無能があるでござるな」
「しかもそう言う奴なぞだ」
「何でもないでござるな」
「これは学校の教師の話だがな」
英雄が聞いた話である。
「これこそまさにだ」
「部員をものとしか見ていないでござるな」
「部員は生徒だがな」
その教師のいる学校のだ。
「生徒は自分が思い通りに動かしてだ」
「どうせあれでござるな」
「わかるな」
「部活がいい成績を出せばでござる」
「顧問の自分の得点になる」
「だからでござるな」
「生徒が自分の思い通りの結果を出さないとな」
例えそれが自分の指導の結果でもというのだ。
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