ハッピークローバー
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第二十六話 お菓子を貰ってその十二
「創作の世界とはね」
「現実はまた違うのね」
「そうなのよ」
「まあ創作は創作ね」
理虹もこう言った、見ればワインが回ってきている。
「現実とはね」
「また違うってことね」
「何かシェークスピアでもね」
この偉大な戯曲家の作品でもというのだ。
「現実と違うらしいし」
「あの人の作品でもなのね」
「そうでね」
それでというのだ。
「それで信長さんも新選組よね」
「実際は違うのね」
「私も意外よ、信長さんがお酒駄目ってね」
「本当にイメージとは違うわね」
「大酒飲みでね」
創作から受ける信長のイメージから想像するにというのだ。
「それで酒乱で残酷でね」
「血を見るのが好きってね」
「そうしたイメージだってね」
その様にというのだ。
「思えていたけれど」
「実はお酒駄目で優しくて」
「必要以外の血は求めないってね」
「意外よね」
「本当にね」
その彼はというのだ。
「そこはね」
「そういえば新選組ってあれよね」
ここで言ったのは留奈だった、カントリーマァムを美味そうに食べているが実際にそう思って楽しんでいる。
「実は狼って言われてたのよね」
「壬生狼ってね」
一華はこの言葉で応えた。
「当時言われていてね」
「恐れられてたのよね」
「京都の人達からも」
「その狼だって」
留奈が主に言うのはこちらだった。
「実は人襲わないしね」
「相当お腹空いてないとね」
さもないと、というのだ。
「そうなのよね」
「狼も実際と違うわね」
「童話とかの狼とはね」
「三匹の子豚とかでは悪い奴だけれど」
それがなのだ。
「実は人滅多に襲わないし」
「だから犬になるのよね」
「そうよね」
「というか家畜襲うからでしょ」
富美子はクッキーを食べながら指摘した。
「狼が悪いのは」
「牧場持っててね」
「だから悪くて日本だとね」
自分達の国ではというのだ。
「昔は田畑でね」
「狼はその畑荒らす獣食べてくれるからね」
「鹿とかをね」
「むしろいい生きものだったのよね」
「だから『おおかみ』なのよね」
「そうよね」
一華もそれはと応えた。
「有り難い存在だから」
「大きな神様なのよね」
「怖い、迷惑どころか」
「有り難いね」
「そうした生きものだったのよね」
「少なくとも日本ではね」
「農業の国だと」
それならというのだ。
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