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レーヴァティン

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第二百五十二話 統一を経てその十二

「しかし出すならな」
「多くですね」
「気前よくだ」
 その様にというのだ。
「出す、そしてそれはだ」
「他の方々にもですか」
「同じだ、留守を預かっていた幕臣達にもな」
 主に大坂にいる彼等にもというのだ。
「褒美はだ」
「弾みますね」
「天下を治める者は浪費はしないが」 
 それと共にというのだ。
「吝嗇でもない」
「左様ですね」
「だからだ」
 そうした考えだからだというのだ。
「あの者達にもな」
「多くの褒美を出しますね」
「徳川幕府も吝嗇ではなかった」
「むしろ気前はかなりよかったです」
「面子を賭けてだったが」
「その機前の良さはですね」
「俺もだ」
 英雄としてもというのだ。
「やはりな」
「手本とされますね」
「このこともな、そしてな」
「公家や幕臣の方々にですね」
「喜んでもらう、喜んでこそだ」
 まさにそうなってこそというのだ。
「人はよく働けるからな」
「若し褒美がなかったり報酬が少ないなら」
「やる気をなくす」
「そうなりますね」
「安月給でこき使われる」
 英雄は自分達が起きた世界で時折言われる言葉を出した、ブラックと呼ばれる企業では特に多い話である。
「そうなるとな」
「嫌になりますね」
「そうなるのがだ」
 まさにというのだ。
「筋だ」
「そうですね」
「だからな」
「褒美もですね」
「弾むものだ」
 惜しまずにというのだ。
「そうしてこそだ」
「人は働いてくれますね」
「スターリンの様にするとな」
「あれはもう論外ですね」
「ただひたすらだ」
 それこそ給与どころか食べるものすらない状況にしてだ。
「働かせてもな」
「その時はよくとも」
「やがてだ」
「民が疲弊し」
「どうにもならなくなる」
「左様ですね」
 良太もその通りだと答えた。
「事実ソ連はその時は発展しましたが」
「多くの餓死者が出た」
「そも何千万単位の」
「そこに粛清とだ」
 あまりもの有名なスターリンの粛清である、これによっても多くの人命が失われてしまったのである。 
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