ハッピークローバー
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第二十六話 お菓子を貰ってその一
第二十六話 お菓子を貰って
一華は母に目の前に出されたお菓子の山を見て言った。
「何これ」
「パート先で貰ったのよ」
母はテーブルの上に出したそれについて答えた、茶菓子になる様な色々な種類の菓子が数えきれないだけある。
「全部ね」
「そうなの」
「もうすぐ賞味期限だからってね」
「賞味期限ってここまであるとね」
一華はその菓子の山を見つつ母に言った。
「ちょっとよ」
「食べきれないっていうの」
「これだけあるとね」
それこそというのだ。
「私一人じゃ無理よ」
「賞味期限までに食べられないのね」
「絶対に無理よ、見たら三日後とかばかりじゃない」
「けれど賞味期限で捨てるのって勿体ないでしょ」
母はこの現実を話した。
「そうでしょ」
「それでもよ」
一華はさらに言った。
「こんなの一人じゃ無理よ」
「じゃあ皆で食べれば?」
母は素っ気なく返した。
「そうしたら?」
「かな恵達呼んで?」
「一人じゃ駄目だと五人だといけるでしょ」
「そうね、皆こうしたお菓子好きだしね」
その茶菓子達を見つつ話した。
「おまんじゅうも羊羹も一口ゼリーもね」
「あんたの好きなもなかもあるわよ」
「お団子もね」
「そうでしょ、チョコレートもクッキーもあるしね」
「ビスケットもあるでしょ」
「これは皆好きよ」
かな恵達もというのだ。
「実際ね」
「だったらよ」
「かな恵達にもなの」
「そう、呼んでね」
そのうえでというのだ。
「食べてもらったらいいのよ」
「一人で駄目ならなのね」
「皆呼んでね、お茶も出してね」
「お茶ね、お酒でもいいわよね」
「別にいいけれどお酒でお菓子?」
「日本酒は合わないけれど」
それでもというのだ。
「ワインだったら合うでしょ」
「そうだったわね、だったらね」
「ワインも飲んで」
「飲みものはあんたに任せるわ」
介入しないというのだ。
「だからね」
「兎に角なのね」
「そう、そのお菓子全部ね」
「食べろっていうのね」
「捨てるのは勿体ないから」
だからだとだ、母は娘にまたこう言った。
「お願いね」
「それじゃあね」
一華は母の言葉に頷いた、そうしてだった。
かな恵達にだ、実際に話した。
「それで皆もね」
「お菓子食べるのね」
「ワインも飲んで」
「それで賞味期限までに完食する」
「そうして欲しいのね」
「そうよ、だから今夜にでもね」
一華は四人に話した。
「どう?」
「今夜って私達皆部活あるしね」
かな恵が答えた。
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