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少女は 見えない糸だけをたよりに

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11-3

 巧の一次試験が近づいてきているので、会うのは週に一度、日曜日のお昼に私がお弁当を作って、鴨川べりで会っていた。

「ねえ 巧 府の試験以外は受けないの? せめて、隣の県とか」

「うん 考えていない 1本でいく 京都はスマート農業にとりくんでいるから面白いんだよ とりあえずな」

「信じているけど でも 万一ってことも・・」

「まぁ その時は その時だよ そーなる運命ってことさ」

「あのさー 私のこと気にしないでよ あとから ついていくから」

「わかっているって 前も聞いたよ」

「そう ごめんね しつこかったかなー」

「いや べつにー まぁ 香波のためにも頑張るよ」

「あのね これ お守り 持ってて 吉田神社のん」

「かなみ もらってきてくれたのか?」

「うん 一緒に行こうっても 巧 そんなん嫌がるやろー 私 一人でお願いしてきた」

「そうか すまんのー」

「これっくらいしか 私にできることないしなー」と、巧の手だけはと、両手で握っていった。 
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