少女は 見えない糸だけをたよりに
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11-2
相変わらず学生さんは、休講とかで、お店の前を通る人も少なくなって、閑散としてきた。だけど、すみれさんところのパンの売れ行きは好調みたいで、ウチのワッフルサンド売れ行きが好調だとかで、10時に間に合わないからと、私も9時前からお店に出るようになっていた。
お昼ごろ、くるみちゃんが来て
「もう 大変よー あてにしてたとこがね 全部 採用保留になっちゃってね ウチ どうしょうかと思ってんねん」
「えー そんなのあり? 内定ももらってたんちゃうのー」
「うん でも 最終やなかったからね ウチもいくつか天秤にかけていたから・・」
「つらいね ウチも景気悪いしなー このとおり暇やねん 今は、私 一人でお店番してるくらいやから 学生さんも出てきていないみたいやし」
「まいったねー このまま お嫁さんに行っちゃいたいくらい」
「彼と? 相談してるのー?」
「うん だけど まだ、早いって 食べさしてくれる経済力無いからって ウチなー
贅沢しないし、貧乏でも良いってゆうてんねんけど・・パートで働くしって」
「・・・男の人って いざってなると 決断しないもんなー」
「あら 香波 経験者みたいね」
「あー いや そんなんちゃうけどなー それで、愛は確かめ合ってるの?」
「うふっ そっちのほうだけは はっきりしてるねん ずるいよねー 男って」
「そう いいなぁー 愛し合ってるんだ」
「なに言ってんのよ 香波だって 愛しの王子様いるじゃぁない どうなの?」
「ううーん 私等 まだー なんも・・そのー」
「何 勘違いしてるのよ 就職のほう」
「アッ ・・ 彼は そのー6月に1次試験だって・・」
「そう 香波 なんか 怪しい 赤くなってる 進展あったなー」
「そんなのないよー なんも ねぇ なんか食べる? ジュースもおいしいよ」
「そうかー いよいよ 香波も したんだー そろそろだもんね」
「だからー なんにもして無いってー」
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