八条学園騒動記
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第六百六十一話 朝に思うことその三
「こうしてな」
「そうなんですね」
「今日はスープはないが」
それでもと言うのだった。
「スープもな」
「飲まれますね、よく」
「味噌汁でも中国のスープもな」
「湯もですね」
「兎角な」
「朝ですね」
「この時にこそ食べる、勿論朝程でなくとも」
博士はシャンパンを飲みながら話した。
「お昼と夜もじゃ」
「博士はしっかり召し上がられていますね」
「わしは死なん」
博士は不老不死である、例え身体に何があろうとも一切傷付かずかつ衰えたりすることもないのだ。
「食べずともじゃ」
「生きられますね」
「どれだけ飲み食いしなくともな」
「博士は大丈夫なんですね」
「しかしな」
それでもというのだ。
「食べた方がじゃ」
「動けますね」
「そうじゃ、エネルギーを補給するとじゃ」
そうすればというのだ。
「さらにじゃ」
「動きがよくなるんですね」
「そういうことじゃ」
「そうですか」
「そして風呂に入ったりマッサージを受けるとな」
こうしたこともすると、というのだ。
「身体がよくなる」
「怪我や病気にならなくても」
「やはり手入れをした方がじゃ」
「いいんですね」
「不老不死の身体でも調子があるのじゃ」
「それが上下しますか」
「何もせんではな」
飲み食いせず身体の手入れをしなければというのだ。
「動けなくはならんが」
「動きにくくなりますか」
「そうじゃ、頭もいつも考えてこそじゃ」
その様にしてというのだ。
「よく動けるものじゃ」
「そして身体もですか」
「左様、だからな」
それでというのだ。
「わしもじゃ」
「いつも飲んで食べられて」
「風呂に入ることもな」
「されてるんですね」
「そういうことじゃ、しかし美味いのう」
今度は白いヨーグルトに青い苺のジャムを入れてかき混ぜた、すると白いヨーグルトがコバルトブルーになった。
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