ハッピークローバー

「ブルマがね」
「好きとか？」
「同級生ものでブルマが出てるページ凄い読み込んでる感じするから」
「そうなの」
「そこを中心に開いてるから」
　雑誌がそうなっているからだというのだ。
「それを見るとね」
「ブルマ好きだってわかるの」
「そうよ、あの子も見てない筈だけれどね」
「あんなの穿くなんて」
　かな恵は眉を顰めさせて話した。
「私はね」
「無理よね」
「絶対嫌よ」　
　無理ではなかった、顔を真っ赤にしての反論だった。
「あんなの穿いて人前に出るなんて」
「昔はあれが普通だったのよ」
「昔がおかしいのよ」
「だからそれがね」
「昔は普通だったのね」
「今と違うから」
　母はあっさりとした口調で話した。
「だからよ」
「ブルマも普通だったの」
「あの下着みたいなの穿いてね」
　そうしたデザインのというのだ。
「それでよ」
「体育していたの」
「そうよ、結構ずり上がってね」
「下着見えるわよね」
「お尻とかね」
「それ凄く嫌よ」
　かな恵はその気持ちを顔に出して語った。
「何があってもね」
「今の娘は皆言うわね」
「スパッツか半ズボンでしょ」
　体育の時に着るものはというのだ。
「コスプレじゃないんだから」
「コスプレじゃなくて本当によ」
「穿いてたのね」
「そうだったのよ」
「恐ろしいことね」
「恐ろしくてもそれが事実で普通だったからね」　
　昔はというのだ。
「前の世紀はね」
「やれやれね、半ズボンの方がお洒落とも思うけれどね」
「見えないしね」
「そうそう、女の子の半ズボンってね」　　
　かな恵はこちらの話はかなり推す感じで話した。
「きりっとしていて動きやすくてしかも健康美ってのがあって」
「いいっていうのね」
「かなりね。明男もそっちにすればいいのに」
「人の嗜好はそれぞれよ。だから口出ししないの」
「あんなの好きでも」
「そうよ。その好みが犯罪でもないとね」　
　そうでない限りはというのだ。
「特によ」
「言わないことね」
「小さな女の子好きだったり犯罪とかじゃないなら」
　それならというのだ。
「いいのよ。それも実行に移しそうでないならね」
「いいのね」
「好きなうちはいいのよ」
　それで止まっていればというのだ。
「別にホラー映画観てホラー映画の真似する人そうそういないでしょ」
「そんなのしたら変態でしょ」
「影響受けてもね」
　それでもというのだ。
「時代劇見て人斬る？」
「斬ったら頭おかしいわよ」
「そうでしょ、だからね」
「変な趣味でもなのね」
「実行に移さないならね」
「いいのね」
「そう、あと人の好みはそれぞれっていうこともね」
　このこともというのだ。