ハッピークローバー
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第二十四話 あえて聞いたその三
「絵柄やストーリーでね」
「普通の漫画でもそうで」
「それでそうした漫画でもよ」
「そうした好みがあるのね」
「そう、それでね」
母はさらに話した。
「そうした漫画でもそうで」
「明男もなの」
「言っておくけれどあの娘同級生ものよ」
「同級生?」
「やたら同級生の誰かがいいとか言ってるでしょ」
「あっ、そう言えば」
かな恵も言われて頷いた。
「そうね」
「そうした漫画雑誌でもあるでしょ」
「同級生とって」
「そうよ、というかああした雑誌は色々なジャンルが一緒に載るから」
「姉と弟もあって」
「母親と息子もね」
そうした組み合わせの作品もというのだ。
「一緒にね」
「載ってるのね」
「同級生のとね」
「そういうことね」
「同じ雑誌にあっても全部のジャンルが好きとかね」
そうしたことはというのだ。
「有り得ないしね、それにね」
「それに?」
「好きな作家さんもいるでしょ」
「そうでない作家さんも」
「そうよ、その好きな作家さんの作品でも好きなジャンルがあるから」
母はかな恵にこのことも話した。
「幾らあの子が持っている雑誌でお姉さんが出ていても」
「私をそうした目で見てるんじゃって思うことはないのね」
「考え過ぎだから」
そう考えることはというのだ。
「実際にね」
「そうなのね」
「あんたはそこがね」
「考え過ぎなのね」
「そうよ、気にしないことよ」
「明男の読んでる雑誌の中にそうした作品があっても」
「そういうことよ、ただね」
ここで母はこうも言った。
「ああした作品って有り得ないことばかりだけれど」
「シチュエーションとか?」
「そう、それに服もね」
「エロい服ばかり出るわね」
「その中でもブルマなんてね」
この種類の体操服の話をするのだった。
「お母さんが学生の頃になくなってきていてね」
「今はないわね」
「あんた穿いたことないでしょ」
「この目で見たこともないわよ」
かな恵は正直に答えた。
「ブルマなんてね」
「そうでしょ」
「ええ、実際にあるのかってね」
そこまでというのだ。
「思う位よ」
「昔はそればかりだったのよ」
「そうよね」
「けれど今はないでしょ」
「それでもああした漫画にはあるから」
「そこが有り得ないわね」
「ああした雑誌ってそうしたことを求めるから」
そのうえで創られていることは事実である。
「だからあるのね」
「そうね、普通の学校でブルマがあるとか」
「もう絶対にないわね」
「そこが気になるわ」
「お母さんとしては」
「そして明男はどうもよ」
ここで母の目が光った、そのうえで娘に話した。
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