オズのホボ王子
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第九幕その二
「今思うと」
「全くだよ、そしてね」
王子は王女にもお話しました。
「僕達はね」
「今からよね」
「そう、彼等をね」
エブ王家の人達それにラングイテイア姫をというのです。
「招待するよ」
「そうするのね」
「是非ね、まずは姫のお城に行くよ」
彼女の場所にというのです。
「そうするよ」
「そうするのね」
「今からね」
こうお話してでした。
王子は皆を連れてラングテイア姫のお城に向かいました、そのお城は左右対称の黄色い四階建てのフランス風の宮殿でした。
その宮殿の前に立ってです、ジョージ達五人は首を傾げさせました。
「あれっ、こんなお城だったかな」
「ドロシーさんが入ったお城じゃないよね」
「こんな風じゃなかったと思うけれど」
「随分立派なお城でも」
「宮殿だけれど」
「あれから建て替えたんだ」
王子が五人にお話します。
「それでなんだ」
「この黄色い宮殿ですか」
「ウィンキーにあるから黄色いんですね」
「それでこの宮殿は王様が住むみたいな感じですね」
「お姫様も王族ですし」
「だからこうしたお城ですか」
「そうなんだ、このお城にね」
実際にというのです。
「姫がいるよ」
「三十のお顔を持つ」
「そのお姫様がですね」
「首から上を自由に換えられるんですね」
「そうでしたね」
「その人がおられるんですね」
「そうだよ、ではお邪魔しようね」
こう言ってでした。
王子がお城の正門の前に立っている黄色い詰襟とズボンの軍服の兵隊さんにお話すると程なくでした。
皆はお城の中に入れてもらってです。
今度は黄色い乗馬服とズボンそれにブーツの御者の人に案内されてそうしてお城の姫の部屋に案内されました。そうして。
黄色くきらきらと輝くドレスを着た赤くて腰まである長い髪の毛と青い目で楚々とした顔立ちの少女と会いました、この少女こそです。
「ラングイデイアよ」
「今日はそのお顔なんだ」
「ええ、最近一ヶ月単位で毎日換えているの」
姫は王子に笑顔で答えました。
「三十あるから」
「それで一ヶ月でね」
「毎日ね」
「お顔を換えているんだね」
「そうしているの」
こう王子に言うのでした。
「最近はね」
「そうなんだね」
「そう、そしてね」
さらに言う姫でした。
「今日来てくれた理由は何かしら」
「うん、実はね」
王子は姫にパーティーのことをお話しました、そのうえで姫に尋ねました。
「それでどうかな」
「それは有り難いわ、ではね」
「来てくれるんだね」
「そうさせてもらうわ」
こう答えるのでした。
「是非ね」
「それではね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「旅とパーティーの間のお顔はどうするかがね」
姫は王子に少し考えるお顔になって言いました。
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