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オズのホボ王子

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第七幕その十

「早くあの人に会いたいとも思うよ」
「そうも思うのね」
「楽しい旅をしながらね」
「その先にある楽しみについても思うのね」
「そうなんだ、あの賑やかさが懐かしいよ」
 リンキティンク王のそれがというのです。
「本当にね」
「リンキティンク王の賑やかさは別格ですからね」
「いつも陽気で朗らかで」
「太陽みたいですよね」
「あんな明るい人もそうそういないですね」
「オズの国でも」
 ジョージ達五人も言います。
「私達もあの人のお話を聞きますと」
「お会いしたくなります」
「もう自然に」
「そう思うと早く行きたいですね」
「リンキティンク王の国に」
「そうだね、けれど焦らないでね」
 それは禁物だとです、王子は五人に言いました。
「絶対に」
「そうですよね」
「オズの国は焦ってはいけないですね」
「今の楽しみを充分楽しむ」
「そうすることが決まりですから」
「だからですね」
「そうだよ、落ち着いてね」
 そうしてというのです。
「行こうね」
「はい、焦らないで」
「それでですね」
「皆一緒に」
「ゆっくり楽しんで」
「それで行きましょう」
「そう、僕も焦っていないよ」
 王子自身もというのです。
「今の旅を楽しんでいるからね」
「焦っても何にもならないものだよ」
 モジャボロは笑って言いました。
「何事もね」
「そうだね」
「学問もコツコツやるものでね」
「焦らずにだね」
「一つ一つ確実にね」
 そうしてというのです。
「ことを進めるものでね」
「それでだね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「今はね」
「焦らないでいこう、絶対に会えるんだ」
 モジャボロの言葉はまるでスキップしている様に明るいものでした。
「だったらだよ」
「焦る必要がないよ」
「そうだからね」
「焦って失敗することも多しね」
「周りが見えなくなってね」
「絶対に焦らない」
「それが大事だよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「だからオズの国では皆焦らないね」
 モジャボロの弟さんの言葉には余裕がありました。
「何があっても」
「その通りだね」
「焦って物事が解決するか」
「むしろ失敗するね」
「急ぐ時はあっても」
 それでもというのです。 
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