ハッピークローバー
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第二十二話 身体が丈夫ならその七
「それで全国区だったけれど」
「今はなのね」
「あんたが今言った通りね」
「九州の鉄道会社で」
「全国にはね」
とてもというのだ。
「知られていないのよ」
「そうなったのね」
「そういうの阪神もわかってるし」
親会社の方もというのだ。
「だからね」
「身売りはないのね」
「まずね、解散もね」
「まずないわね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「そうなる可能性もゼロじゃないし」
「十年二十年先はわからないのね」
「極端に馬鹿な人が親会社の社長になって」
そうしてというのだ。
「例えば巨人の合併とかね」
「それ凄いわね」
「若しかしたら言い出して」
そうしてというのだ。
「その社長がワンマンで一度決めたことを変えない」
「それって最悪よね」
「つまり人のお話を聞かなくてとんでもなく頑固だからね」
「全然柔軟性ないわね」
「だから会社やるにしてはね」
経営者になるにはというのだ。
「全く向いてないわよ」
「そうよね」
「しかも元々秘書やってたり経理にいてね」
「情報とお金?」
「そう、重役の人達の弱みを全部握ってて」
そうしてというのだ。
「反対派も黙らせられたら」
「そんなの社長にしたらやりたい放題でしょ」
「それで誰もそう言っても止められなくて」
「阪神と巨人の合併なんてしたら」
「どうなるかしら」
「ファンめっちゃ怒って反対して潰れない?」
「しかもファンのことなんか知ったことか」
そうした考えだというのだ。
「自分が正しい」
「余計に凄いわね」
「そんなのが阪神の社長になったら」
「合併でも解散でもよね」
「会社経営の邪魔とか思ったら」
「思わないでしょ」
流石にとだ、実加は姉に眉を顰めさせて言った。
「だって毎日何もしなくても会社の名前出るのよ」
「テレビでも新聞でもね」
「インターネットでもよ」
「毎日出て日本中で覚えてもらえるわね」
「それだと多少赤字でもね」
そうなってもというのだ。
「いいでしょ、持てる限りは」
「普通はそう考えるわね」
「こんなの私でもわかるわよ」
理虹に眉を顰めさせたままこうも言った。
「中三で会社の経営とかも知らないけれど」
「いや、それがいるのよ」
「そんな社長さんが?」
「ただの赤字の元としか見てなくてね」
「球団身売りするの」
「もうなくせばいいと思っていて」
ただそれだけを考えていてというのだ。
「何処かのチームと合併することもね」
「いいって思ってるの」
「なくせばいいから」
企業の経営の邪魔と思ってというのだ。
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