魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者
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第69話 UーDとの戦闘
「アギト、ユニゾンアウト」
『えっ、何で!?』
反論を聞かず、俺はアギトとユニゾンを解いた。
「アギト離れてろ」
「アタシだって戦える!」
「恐らく、普通の姿でも攻撃に耐え切れない。だったらせめて………」
「っ!?でも、それでも!!」
「リインフォース、コイツを頼む」
「ああ、任せろ」
「零治!!」
アギトを無理やりリインフォースに任せ、相手を見る。
余裕があるのか、その場から動いてない。
「それじゃあ行くぞ」
『イエスマスター』
俺は腰のレールガン、両手のビームソードを展開する。
「であああああ!!」
正面にフィールドを張り、突っ込んだ。
「邪魔………」
「ぐおっ!?」
血の様な羽と同じ色の巨大な手を召喚し、俺に向かって放ってきた。
その威力は壮大で、一発でフィールドが破られ、二回目のひっかきで吹っ飛ばされてしまった。
「こんなの有りかよ………」
『マスター、ブラックサレナじゃ分が悪すぎます。こんなあっさりフィールドが破られては、装甲も………』
「フィールドが簡単に破られたとなると仕方がない………だったら!!ラグナル、アーベント!」
『イエス、マスター!!』
その言った瞬間、俺の体は光に包まれ、ブラックサレナからアーベントの姿となった。
「遠距離とスピードで戦う!」
『危険ですけど、相手はスピードは対して速くないでしょう。手数で攻めます!』
俺はその場から直ぐ離れて、パルチザンランチャーを構えた。
「Bモード、連射だ!」
ダンダンダンダンダンダン!!
細かく移動しながら絶え間なく魔力弾を飛ばす。
「くっ………」
UーDはシールドを張り、攻撃に耐える。
くっ、シールドも固い………
「インパクトステークでシールド破壊すれば………」
『アーベントは紙なんですよ!?あの攻撃力に突撃なんて無茶もいいところです!!』
「だがこのままじゃこっちがジリ貧だ」
俺の魔力だって無限じゃない。
相手もタイミングをつかんだのか避け始めた。
「Eモード、くらえ!!」
今度は砲撃魔法を放った。
「!?くっ!!」
俺の攻撃が予想外だったのかUーDは再び、シールドを張って攻撃に耐える。
「よし、突っ込むぞ!」
『ああ、もう!!』
俺はEモードを連射しながらもUーDに向かって突っ込んで行った………
「速い………」
「凄いですね、姿が変わったかと思えば、硬かった防御がスピードへと変わりました」
はやてとリインフォースは零治の戦闘能力に驚いていた。
黒い装甲が白い装甲へ、そして頑丈そうな見かけからスピードのある戦闘スタイルに。
「あんな魔導師がいるんやな………」
「いや、私もあのタイプの魔導師を見るのは初めてです」
「そうなんか?」
「ええ、私の記憶にはありません」
「一体誰なんかな………」
「零治………」
そんな二人とは別にアギトは零治の心配だけをしていた……
「何だあやつは………」
「うわっ、速っ………」
こっちにいるディアーチェとキリエも零治のスピードに驚いていた。
「まさか砕け得ぬ闇を押すとは………」
「ですけど、時間稼ぎにしかなりませんね」
「だな、あの防御に攻撃。流石は砕け得ぬ闇と言うところか………」
「くっ、どこに………いた」
「ちっ!!」
くそ、視界から消えたつもりが、ダメだったか。
「エターナルセイバー!」
両手から、翼と同じ色の剣を伸ばし、交差させるように挟んできた。
「こんな攻撃!!」
俺は挟まれる直前、下に急降下。
「くっ!?」
避けられた事に反応するUーD。
素早く、シールドを張った。
だが、シールドを張った事が間違いだ。
「Gインパクトステーク!!」
左手に展開したステークで思いっきりシールドに突き刺し、
ドンドンドン!!
三発ぶっぱなした。
「アアアアア!」
「どうだ………?」
「や、やったんか?」
「動作不良……システム負荷増大……駆体動作……困難……」
「なんとー!?」
「ロボット君強っ!?あの怪物をやっつけちゃった!?」
まさかダメージを与えられると思ってなかったディアーチェとキリエはもの凄く驚く。
「あのロボット、ここまで強いとは………」
「流石零治!!」
「しっ、しっかりせいUーD!傷は浅いぞ!?」
「闇の書の構築体、マテリアルD……駆体……起動……?」
「そうとも。お主と同じく、駆体起動中だ」
「………ディアーチェ……ディアーチェですか?」
「そうとも。我が名はディアーチェぞ!いやはや、やっと巡り会えたわ。我ら3基、うぬをずっと捜しておったのよ」
「シュテルやレヴィも……?」
「ここに。」
「僕もいるよー!」
声が聞こえたかと思ったら、いきなり星とライも現れた。
一体どこから………
俺の時は名前が無いって言ってたけど、星はシュテル、ライはレヴィ、夜美はディアーチェか………
「星もライもちっさ〜!!」
「何だと〜!?君だって小さいじゃないか〜!!ってカッコイイ!?」
「ん?俺?」
「素晴らしいです」
「あ、ありがと………」
なんか星以上に感情が分かりづらいな………
「うぬら、敵と戯れるでない!!」
「夜美も口調が俺と会った時以上に悪いな………」
「我は夜美などでは無い!!呪うぞ!!」
「ディアーチェ、それは違う………」
おお、UーDが突っ込んだ。
「コホン。会えて嬉しい………本当は、そう言いたいです」
「……なんと……?」
「だけど駄目なんです……私を起動させちゃ」
「あの、お話が見えないんですが、それはどういう……?」
キリエが我慢しきれず質問する。
「みんなが私を制御しようとしました………だけど出来ませんでした。だから必死で沈めました。私に繋がるシステムを破断して、別のシステムで上書きして、闇の書に関わる全ての情報から、私のデータを抹消して。夜天の主と管制融合騎も知り得ない、闇の書が抱える本当の闇、それが………」
何か様子が……
「私なんです」
「ああああああ!!」
「うあぁぁぁっっ!!」
「ぐああっっ!!」
UーDがそう言った瞬間、見えないスピードで星達をUーDの刃が貫いた。
「星、ライ、夜美!!!ラグナル!!」
『フルドライブ!!』
俺は怒りに身を任せ、アーベントのフルドライブを発動。
全身の赤かった線が青くなった。
『パルチサンブラスターFモード!』
「フルバースト!!」
パルチザンブラスターのBとEを合わせた収束砲。
UーDを包み込んだ。
「はぁ、はぁ………」
「………沈む事なき黒い太陽……影落とす月……ゆえに、決して砕かれぬ闇」
その砲撃の今のUーDの前では効かず、防がれてしまった。
「………どうでもいいからそいつらを離せ!!!」
今度は左手にインパクトステークを展開。
さっきと同様に相手を貫く為に突っ込む。
「私が目覚めたら………後には破壊の爪痕しか残らない………」
左手で展開したシールドで俺のインパクトステークを抑えながら淡々と言う。
「ヤミちゃん!あかん、待って!!」
「ごめんなさい………さよなら……みんな……」
「!?行かせるか!!ラグナル、もう一度Fを!!」
『無理です!!第一チャージが間に合いません!!』
「そんなの知るか!!あいつごめんなさいって………ふざけんなよ!!あんな顔するならこんな事するなよ!!」
だが、俺の声も虚しく、UーDは行ってしまった。
「待ちなさい!私はあなたに用があるの!全力追跡!!アクセラレイター!!」
「アギト来い!!」
「お、おう!」
俺はすぐさま、ブラックサレナになり、ジャンプの準備をする。
「「ユニゾンイン!!」」
『行きます、ジャンプ!!』
俺はすぐさまジャンプした。
「我が主、マテリアル達が……!」
「消えた………?まさか、消滅?」
「いえ。一度駆体維持を放棄して、どこかで再起動しているのかと」
「無事なんかな?」
「力を取り戻すまでは、時間がかかるでしょうが………」
そんな中、通信が入る。
「はやてちゃん!まずい状況になってきちゃいました!!各地で思念体反応が多数出現!もの凄い数です!今、シグナム達が迎撃に出てくれています!!」
「くそっ………」
『マスター、体は?』
「動いてないからそれほど……それにアギトとのユニゾンのおかげで問題ない。助かるよアギト」
『いいよこれくらい!』
アギトが居なかったら戦えなくなってたな………
しかし状況が悪い。
せめて加奈が居てくれれば回復出来て戦えたんだけどな………
『あれ?魔力反応があります。でもこれは何だろう?』
「どうしたんだラグナル?」
『魔力反応があったのですが、どうもおかしいんですよね………』
「だから何だよ?」
『とにかく行ってみてください』
不自然なラグナルをよそに、俺はその場所に向かった。
「行くよ!セイクリッド・ブレイザー!」
虹色の魔力砲がユーノを包み込む。
くらって消える様子を見ると、どうやら闇の欠片だろう。
だがそんな事問題ではない。
「何でヴィヴィオがいるんだ………?」
『『ヴィヴィオ?』』
「はあ……はあ……アインハルトさんは無事かな………?」
周りを見渡すと、どうやら全て倒し終わったかな………
いきなりアルフさんの偽物と戦ったり、小さなユーノ司書長とも戦った。
他にも色々な偽物の人と戦った。
良い経験だったけど流石に疲れてきたな………
『ヴィヴィオさん』
「あっ、アインハルトさん」
『こっちは終わりました』
「こっちも終わったよ」
『それなら先ずは合流しましょうか?』
「そうだね、どこに………!!」
『ヴィヴィオさん?』
「何あれ………?」
ヴィヴィオの前には黒い装甲を纏った人がいた………
『戦闘再開したみたいです』
「再開?」
『はい。また出てきたのではないでしょうか?』
「そうか………相手は?」
『えっと………マスター?』
「は?」
『いや、マスターがもう一人います』
そう言われて見てみると、確かに目の前にブラックサレナがいる。
もしかして………
『恐らくマスターの闇の欠片でしょう………』
マジか。
こっちに来てまだそんなに経ってないのにもう俺の闇の欠片まで………
しかし余計な事を口走って無いだろうな………?
「キャアアアアア!?」
そんな事を思ってるとまさかのヴィヴィオがこっちに吹っ飛ばされて来た。
俺は不意に抱きとめてしまう。
「………あれ?」
「全く、まさかこっちに吹き飛ばされてくるとはな………」
「あれ、あなたは?」
「俺は有栖零治」
『アタシはアギトだ』
「あっ、私はヴィヴィオって言います………ってアギト!?何で有栖さんとユニゾンしてるの!?」
うん?どういうことだ?
シグナムさんはアギトの事知らない筈だけど………
もしかしたら未来でロードがシグナムさんに変わった?
………未来の俺に何かあったのか?
『何言ってんだ?アタシのロードは零治だけだぞ』
「ええっー!?」
「………取り敢えず詳しい話は後な。取り敢えず目の前の偽物を倒してからだ」
偽物は律儀にその場から動かずにいた。
「何が来ようとも負けるわけには行かない。アイツらの所に帰るんだ………」
大きさと喋った内容からすると、星達が家に来た時の俺か?
あの時は絶対に死ぬわけには行かないと自分に言い聞かせて来たからな………
それにあの人が………
「ダメだな、直ぐに感傷に浸りそうになる………」
『零治?』
「ああ何でもない。ブラックサレナ、行くぞ!」
『『了解!』』」
光に包まれた俺に黒い装甲が着いた。
「ああっー!!黒い変な人ー!!」
「変な人は無いだろヴィヴィオ。ブラックサレナだ」
「ブラックサレナ?」
「取り敢えず俺が相手するぜ偽物」
「俺は死なない、絶対に帰る………」
「………俺ってこんなだった?」
『案外最初の方は。ですが、その内元に戻りましたが………』
「何か昔の自分を見ているようで恥ずかしいわ………」
『零治、くるぞ!』
アギトが言ってくれたおかげで飛んできたレールガンを避ける事が出来た。
「こっちも、ラグナル!」
『レールガン展開!』
こっちも同じくレールガンを展開、両腰から炎を纏った魔力弾を放った。
「くっ!?」
放った魔力弾は相手の展開していたフィールドを貫通。
威力はフィールドで抑えられたが、多少ダメージは与えられたみたいだ。
『アギトの炎のおかげでスピードと威力が上がってますね』
「ああ、アギト、サンキュー」
『いいってことよ!』
何だかんだ言ってアギトが居てくれて助かる。
『相手、ビームソード展開』
「こっちもソードで応戦」
『イエス、マスター』
黒い装甲がぶつかり合う。
基本細かい動きがしづらいブラックサレナだが、こっちはユニゾンの影響でそれもカバー。
唯一劣ってる点は防御力のみと性能が随分と違う。
何が言いたいのかと言うと、
「そんな攻撃!!」
振ってくるビームソードを受け流し、逆にこっちが突く。
触れる程近距離で戦闘している為、フィールドは展開出来ない。
だが当たらなければどうということはない。
「これで!!」
隙をついて、思いっきり薙ぎ払い、仰け反った所で少し距離を取る。
「ラグナル、フィールド前面展開!」
『イエス、マスター!』
フィールドを正面に集中展開。
そして………
「ディストーションフィールドアタック!」
『行けええええ!!!』
そのまま勢いを付けて突っ込んだ!
「くおおおおおお!!」
相手はフィールドを展開して応戦。
だが、ユニゾンで攻撃力が上がってる上に、勢いを付けて突っ込んだ俺の攻撃に相手は耐えられるはずも無く、フィールドは粉々になった。
「何!?」
「これで終わりだあああ!!」
そして俺はそのまま突っ込んだのだった………
「ごめん、俺、帰れそうにない………」
そう言い残して砕けていく偽物。
「流石に昔の自分には負けねえよ」
『負けたら結構大問題ですよね?』
『それにユニゾンしてるし』
「だけど改めてブラックサレナって硬いよな。最近簡単にフィールド破壊されたり、装甲もってかれたりするから時々忘れるんだよな………」
『UーDの時は2発ですからね………』
「流石にあれはへこむ………」
『ま、まあいいじゃないか、アーベントでしっかりやり返したんだし』
「まあな………ってヴィヴィオの事忘れてた!」
ヴィヴィオのいた所を見ると、何だか気まずそうにその場で固まってるヴィヴィオ。
胸の下で腕を組んでるけどワザとか………?
「それで、ちょっと話したいんだがいいか?」
「あ、はい。私の友達のアインハルトさんも合流するって言ったので付いてきてもらえますか?」
「ああ、構わないよ」
てかアインハルトって誰だ?
ブラックサレナを見て、少し萎縮してるヴィヴィオ。
バイザーも不気味だし、小さい?子には怖いか。
「ラグナル、ブラックサレナ解除」
『了解〜』
ブラックサレナを解除し、元の姿に戻る。
「あれ?姿が変わった………」
「元々はこの姿が素なんだ。状況によってさっきみたいに装甲を纏って戦うんだ」
「へえ………珍しいですね」
好奇心旺盛な目で見てくるヴィヴィオ。
そんなことより、取り敢えずそのアインハルトさんって所に案内して欲しいんだけど………
「あっ、早くしないとアインハルトさん待たせちゃう!すみません、付いてきて下さい!」
こうして俺はヴィヴィオの案内の下。アインアルトさんって子の所へ一緒に向かった………
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