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イベリス

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第五十一話 水着その二

「それでなのよ」
「そうなのね」
「私達もそのつもりで来たけれど」
「目的は一緒ね」
「そうだったのね」
「そうね、奇遇ね」 
 咲は笑顔でこう返した。
「一緒になるなんて」
「そうね、東京って百貨店もお店も多いからね」
 愛も笑って話した。
「そこで水着買う日と場所が一緒になるなんてね」
「そうはないわよね」
「ええ、けれどね」
「それでもよね」
「一緒になったならね」 
 それならというのだ。
「どんな水着がいいのかお話することもね」
「いいわね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「これからよ」
「一緒に買いに行くのね」
「そうしたらいいわ、それで私もね」
「お姉ちゃんもなのね」
「一緒にいていいわよね」
「お姉ちゃんが言って来たからね」
 咲は愛に笑顔で答えた。
「それならね」
「それじゃあね」
「皆とも一緒にね」
「その人が咲っちの従姉の人ね」
「大学生の」
「これまた奇麗な人ね」
「そうよね」 
 クラスメイト達は愛を見ても話した。
「お話は聞いてたけれどね」
「お会いしたらお話でよりも奇麗ね」
「お洒落だしね」
「そうよね」
「まあ咲ちゃんとはよく一緒にいるわね」 
 愛は咲のクラスメイト達にも笑顔で応えた。
「そうしてるわ」
「そうなんですね」
「それで咲っちのお話にもよく出て来るんですね」
「奇麗で頼りになる従姉の人だって」
「そう聞いてました」
「咲ちゃん褒め過ぎでしょ」 
 愛はその咲に笑って言った。
「恥ずかしいわよ、そこまで言われたら」
「そう?事実だからね」
「事実じゃないわよ、私そんな立派じゃないから」
「私はそう思ってるけれど」
「主観が過ぎるわ、ズボラでいい加減よ」
「そうなの?」
「家事だってまだまだだし」
 咲にこう言うのだった。
「お掃除なんてしないし」
「お部屋奇麗だし」
「誰か来たらお掃除するだけよ」
「その割にはいつも奇麗だし」
「本当に家事なんてしないから」
「いや、叔母さんいつも手伝ってるって言ってるわよ。お料理も結構出来るって」
「簡単なものだけよ」
 咲にこうも返した。
「作られるのはね」
「カレーとかハンバーグとか餃子作られるでしょ」
「簡単なものじゃない」
「そうかしら」
「レシピがあるものしか作られないわよ」
「それで作られたら凄いわよ」
 咲はそれならと返した。
「本当にね」
「そうかしら」
「そうよ、よく見れば爪は短いし」
 ファッションは派手だが見れば爪はそうだった。 
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