転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OGs
0042話
やはり精神コマンドの集中を使っていたのが良かったのだろう。そのおかげで船長からの咄嗟の叫びに反応出来たのだから。
もし集中を使っていなかった場合、あの機体の角に貫かれていた可能性がある。
そう、まるでカブトムシの角のようなヒートホーンに、右手に装備されたリボルビング・ステーク。PTにしては重量級とも言えるその重さを大推力バーニア・スラスターで無理矢理解消したその機体。
ただし、その機体色は赤ではなく青。
「アルトアイゼン」
……いや、こちらの世界では違うか。
「ゲシュペンストMk-Ⅲ」
そしてそのパイロットは。
「キョウスケ・ナンブ」
正直やはりか、という印象が強い。ヴィンデルからATXチームが援軍に来ると聞いた時に半ば予想出来ていたのだ。
シーリオンへとブースターを噴射させ、その右手に装備されたリボルビング・ステークで狙いを付け、振り下ろされた金属製の杭がシーリオンのコックピットへと向けて突き出される。
「駄目だ、先輩!」
思わず口から出た『先輩』というその言葉だが、ゲシュペンストMk-Ⅲは特に動揺する事もなくその杭でコックピットを串刺しにし、リボルビング・ステークの機構を使い撃ち貫く。
そして数秒後にシーリオンが爆散する。
「キョウスケ先輩、いや。先輩はもう死んだ。あそこにいるのはベーオウルフだな」
口の中だけで呟き、改めてキョウスケへと通信を送る。
「こちらシャドウミラー隊、特殊処理班隊長、アクセル・アルマーだ。援軍には感謝するが、今回の作戦は海賊共から情報を聞き出す為に生きて捕まえる事だった筈だ。何故、殺した?」
「敵……消滅……確認」
通信から聞こえてくるのは、途切れ途切れのキョウスケの呟き。
これは、感染が思ったよりも進行しているのか?
「ATXチーム、キョウスケ・ナンブ、聞こえているのなら返答を」
再度通信を送るが、キョウスケはこちらに答える事なく来た方へと向かい去っていった。
「軍人さん、大丈夫か?」
恐る恐る、といった様子で船長からの通信が送られてくる。
「ああ、さっきは助かった。船長からの通信がなければ右脚だけじゃすまなかっただろう」
グロウセイヴァーのモニタには、右脚損傷のアラートが表示されている。
船長の叫びに咄嗟に回避したが、それでもゲシュペンストMk-Ⅲの突進を完全には回避できなかったのだ。
「にしても、軍人さんから前もって聞いていて本当に良かったよ。まさか味方も何も関係無しに攻撃を仕掛けて来るとは思わなかった」
「そうだな。取りあえずタンカーの方で海に浮かんでいるシーリオン2機を引き上げてもらっていいか? 機体とパイロットは近くの港に着いたらうちの部隊が引き取りに来ると思うが」
「ああ、任せとけ。おい、浮かんでる機体を2機とも引き上げろ。相手は海賊だからな、気を抜かないようにしろよ!」
近くにいる船員に命じながら、なにやら装置を操作している。
そんな様子を見ながら、俺も右脚を損傷したグロウセイヴァーをタンカーの甲板へと移動させる。
取りあえず右脚の損傷のみだし、任務も達成したし応急修理等は別にいらないだろう。
と言うか、下手に手を出したら素人の生兵法で余計に修理に時間が掛かりそうだ。
近くにいる船員には危険かもしれないのであまり機体に近づかないように声を掛け、引き上げられたシーリオンの方へと移動する。
既に2機とも引き上げられ、片方は四肢がない状態、もう片方は下半身が丸々ない状態となっており動く様子はない。
2機の周囲には船長や船員が周りを囲んでおり、その手には銃や斧なんかの武器を持っている。
「船長」
銃を持っている船長へと声を掛ける。
何やら困惑した表情でこちらへと振り返る船長。
「おお、軍人さんか。引き上げたのはいいけど、パイロットが出てこないんだがどうしたもんかな」
「確か、外部からコックピットを強制的に開放させる為の装置があったと思うが」
船長と会話をしつつ、四肢がない方のシーリオンのコックピット周辺を調べる。
「開けるぞ」
シーリオンのコックピット近くにあった装置を操作し、コックピットを強制的に開放。
船長達はコックピットの周りに固まり、海賊が襲いかかってこないか警戒している。
俺も強制解放の操作を完了した後、すぐにそちらへと向かう。手には念の為に拳銃を持っているが……
「なぁ、軍人さん?」
船長の近くに行くと、俺が声を掛ける前に船長から話しかけてきた。
何やら呆然としたその表情を浮かべている。
「どうした? 海賊は?」
「それが、ちょっと見てくれ」
船長に言われ、シーリオンのコックピットの中へと視線を移す。
そこにいたのは少年と言うよりは、まだ幼いと言った方がいいような少年だった。
年齢的には10歳くらいだろうか。きつい目付きでこちらを睨んでいる。
「お前がこの機体のパイロットか?」
状況証拠からそれ以外は有り得ないのだが、念の為に確認する。
「見て分からないのかよ。俺以外に誰か乗ってるように見えるか?」
「いや、一応確認の為にな。で、あっちのパイロットもお前さんのお仲間だろう? 出てくるように言って貰えないか?」
「ふん、誰が軍人なんかの命令を聞くか! さぁ、殺すなら殺せよ! 俺は絶対にお前達なんかの命令は聞かないからな!」
俺やこの船で働く船員達へと向けて叫ぶ少年。
「あー、船長? どうしたらいいと思う?」
「いや、俺に聞かれても。こいつは捕虜で、軍が責任を持つんだろう?」
てっきりチンピラやらDC残党やらが出てくると思っていただけに、対応に戸惑う。
……ん? ちょっと待て。少年のパイロット? それってスクール関係じゃないだろうな?
「お前、スクール出身か?」
少年は俺の言葉が理解出来なかったのか、胡散臭げに口を開く。
「あいにく俺は学校なんかに行った事は無い。そんな金があったら食べ物を買ってる」
少なくてもスクール出身じゃない、か。てっきりラトゥーニやアラド、ゼオラ、オウカなんかの仲間かと思ったんだが違ったらしい。
取りあえず、下半身が破壊されているシーリオンに向かって声を掛ける。
「そっちのシーリオンのパイロット、出てきてくれないか? 出てこない場合は、この少年に不本意な態度を取らざるを得なくなるんだが」
その声が聞こえたのだろう、もう1機のシーリオンのコックピットが開きパイロットが出てくる。
「こっちもかよ」
呆れたような船長の声。
それもそうだろう。もう1機の方から出てきたのも先程の少年と同年代の子供だったからだ。ただ、先程の勝ち気な少年と違ってこちらは内向的な印象を受けるが。
「馬鹿、何で出てきたんだよ!」
「だって、このままだと……」
何やら言い合いをしている2人を尻目に、船長へと声を掛ける。
「船長、部屋を用意してくれないか? 取りあえず事情を聞いてみる」
「あ、ああ。分かった。すぐに用意させる。あいつに付いていってくれ」
船長から何やら命令を受けている船員の後を、2人の少年を連れて付いていく。
「なぁ、カルは?」
階段を下りている途中、勝ち気そうな少年に声を掛けられた。
カル。人の名前か? いや、この流れで聞いてくると言う事は。
「カルというのは、3機目のシーリオンに乗ってたパイロットの名前か?」
「ああ、そうだ。俺達の中で1番腕が立つんだ」
自慢げに言って少年に本当の事を言うべきかどうか迷ったが、ここで誤魔化してもどうせすぐに知られる事だと思いなおす。
「3機目のシーリオンは俺達の援軍にコックピットごと貫かれて爆発したよ。あの爆発で生き残っているとは思えない。諦めた方がいい」
「そんな……」
言葉を詰まらせたのは勝ち気な少年の方だった。内気な少年の方は、その瞳に涙を貯めている。
「着きました、ここなら大丈夫です」
「助かる」
船員に礼を言い、2人の少年と部屋の中へと入る。
さて、何でこんな子供達が海賊なんてやってたのやら。口が上手い方ではないが、出来るだけ聞き出してみるとしよう。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:16
PP:25
格闘:170
射撃:188
技量:180
防御:177
回避:205
命中:227
SP:270
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP20
???
???
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.7
アタッカー
ガンファイト LV.2
???
???
???
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撃墜数:28
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