転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OGs
0041話
「……暇だ」
グロウセイヴァーのコックピットの中、俺は暇をもてあましていた。
ヴィンデルからの命令により、海賊を誘き出してから殲滅――と言うか捕獲――する為にタンカーの中で待機しているのだが、肝心要の海賊が現れないのだ。
海賊が頻繁に現れる海域をタンカーで移動している為、てっきり誘蛾灯に誘われる虫の如く現れるかと予想していたのだが。
そんな風に思いつつコックピットの中から見える、グロウセイヴァーに新たに装備されたファントムへと視線を向ける。
T-LINK対応型ソードブレイカー、通称ファントム。
ソードブレイカーがハサミ型だったのに対して、小型化されたファントムは細長い円錐形へとその姿を変えていた。
その見た目に一番近いのはUC系のガンダムに出てくるファンネルだろうか。
ただ、ファンネルと言ってもサザビーやヤクト・ドーガ等のものではなくキュベレイのものに近い。
もっとも、その性能を考えるとガンダム00に出てくるファングの方が近いのかもしれないが。
「メールでも送れればいいんだが」
ふと、久しぶりにエクサランスチームへとメールを送る事も考えたが、戦闘待機中である現在そんな真似が出来る訳もない。
1週間程前にもらったメールでは、エクサランスの開発も順調に進んでいるらしい。
これから起こる戦闘の事を考える。
今回は、基本捕獲なので敵パイロットを生かして捕まえなければならない。そうなると今までの経験上から言って経験値や撃墜数は稼げないだろう。
「そう言えば」
経験値や撃墜数で思い出し、久しぶりにステータスを確認する。
ここの所色々と忙しく、ステータスチェックをしている暇が無かったし丁度いい機会だ。
新しく覚えた精神コマンドの『直撃』が増えているのは、以前何度か戦闘で使ったので知ってはいた。原作での内容は『1度だけ敵の援護防御や特殊能力の効果を無視して攻撃出来る』というものだった。
特殊能力の効果というのは、簡単に言えばグロウセイヴァーが装備している念動フィールドのようなものだ。これを無視できるというのはどういう効果なのかは分からなかったが、実際に使ってみるとはっきりした。感覚的に閃くのだ。敵のどこにどのタイミングで攻撃すれば攻撃が当たるというのが。感覚的という意味では、集中に近い効果なのだろう。
ただ、援護防御なら敵の隙を突くという意味で直撃の効果も分かりやすいのだが、念動フィールドやその他のバリア系にはどういう効果があるのか不明だ。恐らくだが、バリアと言っても常に展開している訳ではないのだろう。その展開していない隙間を直感的に教えてくれるのではないか、と予想している。
幸か不幸かまだバリア系を持った敵と戦った経験は無いが、あちらの世界に転移すれば嫌でも主人公勢と戦う事になる。念動フィールドなんかのバリア系を持っている機体と戦う前に、その辺の性能を確認しておきたい。
それとこの際だから、PPを使って新しいスキルを覚えておくか。
現在のPPは150丁度。貯まっていたのは分かっていたが、色々と忙しくて新しいスキルを覚えるどころではなかったのだ。
もっとも、これまでの作戦で新しいスキルが必要になる程に追い込まれた事がなかったというのもあるのだが。
今回の作戦が海賊退治で、捕獲対象が海中にいるシーリオンという事で海の適性を上げる事も考えたが、将来的な事を考えると海適性を上げても、邪魔にはならないまでもそれ程有益と言う訳でもないだろう。
以前も考えたが、何せ海での戦闘する機会はそれ程多くない。と言うか、ぶっちゃけ少ない。それに現在の海の適性はBで、海中戦は得意な訳ではないが、別に苦手な訳でもない。
能力値に関しては、転生特典で伸びが異常に高くなってるのでこれも選ぶ必要性は薄い。
となると、やはりスキルか。
援護攻撃・援護防御・指揮官に関しては、今回は俺1人での作戦行動という事もあるし考えなくていいだろう。底力に関しては回避タイプの俺にはあまり意味がない。見切りに関しては有り余るSPと精神コマンドの集中があるから問題無し。EセーブはENを消費するのはレーザー・ブレードにハルバードランチャー、念動フィールドくらいなのに加えてクロノスの時流エンジンがある為気にしなくてOK。Bセーブに関してはファイア・ダガーとガン・レイピアが関係するが、ファントムがあるのでOK。
気力が+になるスキルはスパロボOGsでは地雷スキルだったから覚えなくても大丈夫だろう。
その他諸々を考えるに、今の状況で覚える候補はインファイト・ガンファイト・ヒット&アウェイ、アタッカー、収束攻撃、気力限界突破だな。
まず、俺自身が基本射撃系という事もあるし射撃の威力と射程が伸びるガンファイトは取っておくべきだろう。インファイトはPPにもう少し余裕が出来てからだな。
ガンファイトを何LVまで覚えるかは後で決めるとして、そうなると残りのPPを考えるに覚えるのは後1つくらいか。
気力限界突破は覚えるのに100PP消費なので今回は置いておくとする。
アインストのように大量に敵が出てくる訳ではないだろうし、収束攻撃も今回はやめておくか。
そうなると、残りの候補は2つになる。
多少悩むが、今回は俺の個人的な趣味でアタッカーを取らせてもらう事にする。
アタッカーで80PP消費し、残るのは70PP。ガンファイトをLV.3まで……って、PPが5足りない。しょうがないのでガンファイトはLV.2まで覚えて残りPPは25か。
インファイトLV.1か、貯めるか。数秒迷ったが初志貫徹という事で今回は貯める事にした。
「良し。まぁ、こんなもんだろ」
そう呟いた瞬間、コックピットが揺れた。
いや、これはタンカーが揺れている?
という事は。
「軍人さん、聞こえるかい?」
案の定、船長からの通信が入ってきた。
「海賊か?」
「ああ。ご丁寧に水中用のリオンが3機だが、大丈夫か?」
心配そう、と言うよりは確認の意味を込めて尋ねているのだろう。
「ああ、戦闘は俺に任せてなるべく早く戦闘海域から離脱を」
下手に戦闘海域に居座って、シーリオンに人質に取られでもしたら厄介極まりない。
そこまで考え、ふとATXチームの事を思い出す。
「戦闘が始まったらこちらの援軍が来るかもしれないので一応注意しておいてくれ」
その言葉に不思議そうに首を傾げる船長。
「注意? お前さんの援軍にか?」
まぁ、普通はその反応だろう。無理もない。だが、援軍に来るのはアインストに感染したキョウスケの率いるATXチームなのだ。キョウスケでなくブリットや俺の知らない面子であったとしてもアインストに感染している可能性は少なくない。
そして原作を見る限りではアインストに感染したキョウスケは敵味方の区別が無い。
いや、正確にはアインストかどうかで判断してるので区別が無い訳じゃないんだろうが。
そこまで感染が進んでいるかどうかはまだ不明だが、用心するに越した事はないだろう。
「ま、俺もそうだが色々と訳ありの部隊って事だ。さて、出るぞ」
まさか本当の事を言う訳にもいかないので、誤魔化すようにそう言い、グロウセイヴァーを出撃させる。
出撃したグロウセイヴァーのモニタに映ったのは、こちらへと飛んでくるミサイルだった。
「ちぃっ」
咄嗟にレーザー・ブレードを展開、そのまま切り払う。
切り払われたミサイルはそのまま船とは逆の方へと飛んでいき、数秒後に爆発を起こす。
シーリオンはリオン系最大の特徴とも言えるレールガンを装備しておらず、近接戦闘用の武装も持っていない。持っている装備はマルチジェット・ミサイルのみだ。
しかもこれはミサイルというよりは魚雷といった方がいい性能で、水中以外の敵に対しては酷く命中率が悪い。
そんなマルチジェット・ミサイルを空中、というよりは船のブリッジに向かって撃ってきたのはまさか俺のような護衛がいるとは思っていなかったからだろう。
それにこいつらは海賊である以上、船の積荷や身代金目的で船長なんかの身柄が目当てだ。船底に攻撃を命中させて沈めてしまっては積荷を引き上げるのにも一苦労だろうし、身代金と交換する人質も死んでしまう可能性が高い。
「だが、残念だったな!」
まずは手始めと言う事で、ファントムを2基射出する。
空中に向かって撃ち出されたファントムは、俺の意志を感じ取ったT-LINKシステムに従いそのまま水中へと突入した。
「今、マルチジェット・ミサイルを撃ってきたので1機。残り2機はどこだ?」
ファントムを操り、シーリオンを追い込みつつ残り2機の姿を探す。
T-LINKシステムでも敵を感知する事が出来るらしいが、俺はまだ発動出来ない。いや、敵を探すのはT-LINKシステムの裏システムであるウラヌス・システムだったか? そんな事を考えていたが、レーダーに反応!
「空中だと!?」
シーリオンだけにてっきり海中にいるとばかり思っていたのだが、どうやら空を飛ぶ事もある程度は可能らしい。
いや、リオン系の機体というのを考えれば飛べても不思議ではないか。
俺が空中にいるシーリオンを発見したのと、ファントムが海中にいるシーリオンの手足をレーザーブレードで切り裂いたのは殆ど同時だった。
「まずは1機」
とにもかくにも、最低限の情報源は手に入ったと言ってもいいだろう。残り2機も可能なら捕獲したい所だ。
「っと!」
空中にいるシーリオンから発射されたマルチジェット・ミサイルを右に移動する事で回避。そのままレーザー・ブレードで四肢を切り裂こうと敵機へと向かうが、それを読んでいたのか海中へとその身を沈めるシーリオン。
咄嗟にファントムを射出しようとするが、さすが水中専用機とでも言うべきか既にファントムの射程距離外まで移動している。
「なら炙り出させてもらおうか。加速!」
シーリオンがいると思われる海中の上まで精神コマンドの加速とクロノスに装備された追加ブースターを使用して一気に移動し、海中にグロウセイヴァーの胸部を向ける。
「多段頭ミサイルのシャワーだ。存分に喰らえ!」
ファイア・ダガーを連続して発射。小型の爆発で海中を埋め尽くす。
その爆発に炙り出されたのか、シーリオンが堪らず空中へと避難してくる。
「2機目!」
クロノスに折りたたまれているビームガトリング砲を伸ばし、空中にいるシーリオンの下半身へと攻撃を集中させる。
トリガーを引いていた時間は1秒足らずだったが、シーリオンに発射された数十の細かいビームがその下半身を砕き尽くし、上半身のみになったシーリオンがタンカーの近くへと墜落した。
「ラスト1機は?」
レーダーを確認するが、反応は無い。
余程上手く隠れているか、はたまたシーリオンだけにこちらの索敵では探索出来ない深海に潜んでいるのか。
「船長、そちらのレーダーで残り1機を海中に確認できるか?」
取りあえず、グロウセイヴァーのレーダーでは海中を把握しきれないので、専門のレーダーが積んであるタンカーの船長へと連絡する。
だが、帰ってきた通信は船長の焦りの声だった。
「軍人さん、真下だっ!」
真下!? ちぃっ!
「念動フィールド、全開!」
T-LINKシステムをフル稼働させ、念動フィールドを俺に出せる最大強度で稼働させる。
それと殆ど同時に感じた衝撃と揺れ。
空中で弾き飛ばされたグロウセイヴァーの体勢を建て直し、モニタを確認するとそこには空中を勢いよく駈け上がっていくシーリオンの姿。
どうやら俺の真下から全速力で突っ込んできたが、念動フィールドのおかげで弾き飛ばされただけで済んだらしい。
これはエクアドル基地へと帰ったらレモンに礼を言わないとな。
そんな事を考えつつ、空中に飛び出したシーリオンへとリニア・レールガンの砲身を伸ばして狙いをつける。
いくらリオン系列とは言え、シーリオンはあくまでも水中専用機。跳ぶ事は出来ても、飛ぶ事は出来ない。
つまり、今は空高くにいてもいずれは海中へと戻る事になる。
「そこを狙えば3機目の情報源を確保可能ってな。集中、直撃」
最高高度に達したのだろう、推力を失い海中へと落下していくシーリオン。
精神コマンドの集中と直撃を使用した俺はトリガーへと指をかけ。
「軍人さん、避けろぉぉぉぉぉっ!」
突然通信で聞こえてきた船長の叫びに咄嗟にトリガーから指を外し、反射的に追加ブースターを稼働させ上へと移動。
ガンッ
鈍い音と同時に激しい衝撃がコックピットを揺らす。
中でシェイクされながらも、集中の効果で集中力が増した俺の目には1機のPTが映し出されていた。
恐らく、その機体が俺にぶつかってきたのだろう。
だが、それは今は問題では無い。
問題なのは……
「アルトアイゼン」
それがグロウセイヴァーを吹き飛ばしたPTの名前だった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:16
PP:25
格闘:170
射撃:188
技量:180
防御:177
回避:205
命中:227
SP:270
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP20
???
???
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.7
アタッカー
ガンファイト LV.2
???
???
???
???
???
???
撃墜数:28
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