レーヴァティン
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第二百四十六話 農業もまたその三
「力もつける、蝦夷は今は国力はほぼないが」
「内政をするとたい」
「その分備えていく」
国力、それをというのだ。
「だからだ」
「そうするたいな」
「そういうことだ、ではな」
「これからたいな」
「蝦夷の内政に力を入れる足固めをする」
「むしろ攻めるよりもたい」
香織は考える顔で述べた。
「そちらが重要たいな」
「そうだな」
英雄も否定せずに述べた。
「どちらかというとな」
「そうたいな」
「そしてその通りにだ」
「やっていくたいな」
「兵達も使ってな」
「そうたいな、あと賊や魔物がどうしても心配ならたい」
ここで香織は英雄に提案した。
「兵に開拓させるとよ」
「屯田兵か」
「そうたい、少なくとも民が武器を持っていればとよ」
そうであるならというのだ。
「いざという時にたい」
「戦えるな」
「そうたい」
「なら槍や斧でもな」
「持たせるたいな」
「農具はそれだけで武器になるが」
鋤や鍬、鎌にしてもだ。こうしたものを振り回すだけでかなりの武器になり戦うことは可能であるのだ。
「しかしな」
「やっぱり本物の武器ならたい」
「尚更いいな」
「槍や斧の一本でもあれば」
それでというのだ。
「いい武器になるとよ」
「賊や獣が来ても戦えるな」
「何の武芸の仕込みがなくともたい」
そうであってもというのだ。
「槍を村人全員が持てばたい」
「それなりの力になるしな」
「おなごでもとよ」
力がないとされているがというのだ。
「槍を持てばたい」
「やはりそれだけで力になるな」
「だからたい」
「槍でもだな」
「持たせるたい」
「危ういという村にはな」
「そうするたい」
こう言うのだった。
「屯田兵か」
「武器を渡すな」
「そしてたい」
「自分の身を護ってもらうな」
「それでどうたい」
「そうだな、本来屯田兵は敵地に近い場所でだ」
そうした場所でというのだ。
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