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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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8-⑹

 次の日、朝

「おはよう これ お弁当」

「おぉ サンキュー 27 ちゃんと 風呂で乳もほぐしたかー」

「あんなー 朝から なんてこと言うねん 変態! でも、腕が痛いねん」

「まぁな 動かしたら、慣れて来るヨ ガンバローな 今日も」」

 なるほど、30分もすると、ほぐれてきて痛いところもなくなっていた。私は、もう、惰性で身体を動かしていた。その日、私は、身体も軽くて、自分じゃあないみたいだった。

 ノックを受けていても、ボールに向かっていて、顔の前に飛んできても、怖くなかった。昂君のためにも、この可愛い顔をくずしたくなかったのだ。でも、まわりから見るとすごーい顔つきだったみたい。

「真珠 大丈夫か 真珠だよな なんか 乗り移ってるのか―」と、末永先生に呼ばれて、聞かれた。

「先生 真珠って やれば 出来る子なんだよ」と、私も、不思議だった。自分が怖い。

 お昼の休憩の時も、鈴花が聞いてきた。

「真珠 どうしちゃったの 禰豆子が戦う時みたいな顔だったよ 穣先輩に喰らいつきそうな勢いで 球 捕ってたよ すごかったんだけど」

「ウン ウチなぁー 小悪魔 抜けたかもー これから どんどん前に進む 真珠ちゃんになるんだ 王子様のためにも」

「あいつは 王子みたいな 上品なもんちゃうなー どっちかいうと騎士(ナイト)カナ 真珠は村はずれでアヒルを追いかけてる ドロまみれの小娘」

「鈴花 なんやねん その ドロまみれってー 上品で清楚なかわいい娘 やろー」

「へぇー 上品ねぇー それは、彩乃先生のこと言ってんのんかー」

 その日は、午後からも調子よかった。シートバッティングでもヒットこそ少なかったが、良いあたりばっかりで、外野までも飛んでいたのだ。

 その日、帰る時、昂君が

「真珠 人が違うみたいだったな 今日 ノック受けている時も、鬼のような顔つきだったぞ」

「やだー 鈴花にも言われた 昂 そんなん 嫌い?」

「嫌 別にー 真珠が どんな顔になっても・・でも、ボールに向かって行くの 恰好良かったよ」

「そぉーう 恰好良い? でもなー顔にだけはぶつけんようにしてたんやでー 昂のために」

「アホ」

 
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