東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.
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共存編
麟:半人前の自機
麟「嘘、なんでスペルが強制解除されるわけ⁉︎」
麟は「信じられない」という顔をしている。
霊夢「さあ、私にも分からないけど…。他のスペルカードで試したら?」
麟「うん、やってみる」
〜花符「幻想郷の開花」〜
〜風符「元寇の時津風」〜
様々なスペルを試すものの、やはりどれも途中でスペルの効果が切れてしまう。
麟「霊夢、貴女なら原因が分かるんじゃないの?」
霊夢「いや、こればかりはちょっと……。あ、魔理沙ー!いまちょっといいかしら⁉︎」
上空を魔理沙が飛んでいたのを霊夢が目ざとく見つけ、呼びかけるとすぐに魔理沙は降りてきた。
魔理沙「呼んだか霊夢ーーーって、誰だそいつ?」
霊夢「冴月麟って子よ。詳細は後で話すとして、まずは麟のスペルを見てくれる?」
魔理沙「ほう?」
霊夢「麟、やりなさい」
麟「分かった。スペル発動!」
〜融合「花吹雪」〜
麟がスペルを発動すると、麟の前に渦を巻いた桜の花びらが出現した。
魔理沙「おお、やる気か⁉︎」
攻撃されると勘違いしたのだろう。魔理沙は御守にして彼女の武器でもあるミニ八卦炉を構えた。
霊夢「大丈夫よ、当たらないと思うから」
魔理沙「なに、どういうことだ⁉︎」
麟「いけー‼︎」
麟が魔理沙を指差すと猛烈な風に乗って桜の花びらが魔理沙めがけて飛んでいった。花びらは途中で桜色の弾幕に変わり、ほどなく魔理沙に命中ーーーするかと思いきやフッと消え、さらには麟の魔法陣まで消えた。
またもスペルが強制解除されたのである。
麟「ほらね。さっきからずっとこんな調子なのよ」
魔理沙「はあ、本当にやられるかと思ったぜ…」
魔理沙は心底ホッとしたように胸をなでおろした。
霊夢「ごめんごめん。それで魔理沙はこのことについてどう思う?」
魔理沙「んー?そうだな……」
魔理沙はしばらく考えていたが、やがてはっと顔を上げた。
魔理沙「なあ、もしかして花びら出現させたり風を起こすのに魔法使ってないか?」
麟「ええ、使ってるわよ。魔法の練習はあまりしてないけど…」
魔理沙「それだよ、魔力が足りてないのが原因だな。自由に魔法が使えるようになるまでどんな奴でも最低3年はかかる。だが麟はせいぜい1年かそこらしか修行してないんじゃないか?」
麟「その通りよ。でももっと手っ取り早い方法はないの?」
魔理沙は呆れ顔で首を横に振った。
魔理沙「簡単に使えるわけないだろ…。そんなんだったら私は今ごろ白蓮並みの大魔法使いだぜ」
麟「“白蓮”って誰?」
魔理沙「白蓮を知らないのか?ーーーまあいい。とにかくこればかりは地道に努力するしか手がないんだが……。そうだ!霊夢、麟の面倒を見てやってくれないか?」
霊夢「なんでそうなる⁉︎ 全く話しが読めないんだけど!」
突然話しを振られた霊夢は困惑していた。
魔理沙「私がこいつに興味を持ったからだ。魔法の使い方も教えたいしな。博麗神社に通いで教えに来るから!いいだろ⁉︎」
霊夢「だったらアンタがーーー」
『面倒を見ればいいじゃない』と言いかけたところで霊夢は先日魔理沙の家に行った際、家の中が散らかっていたことを思い出して口をつぐんだ。
麟「あたしからもお願いするよ。何とぞよろしく頼みます!」
霊夢「ふう…そこまで言われちゃ嫌とは言えないわね。分かった、面倒を見てあげる」
麟「本当⁉︎」
霊夢「ただし、一日につき千円ずつお賽銭として徴収するわよ」
麟「千円!?百円くらいならなんとか…」
霊夢「まあ、それでいいわ」
ぶっきらぼうに対応する霊夢。だが内心喜んでいるのは言うまでもない。
霊夢「これからよろしくね、麟」
麟「こちらこそ!」
魔理沙「霊夢、ありがとう」
霊夢「いいわよ別に。さてと、お茶にしましょうか」
麟「わーい♪」
魔理沙「邪魔するぜー!」
ーーー3人は母屋に入っていった。
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