東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.
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招かれし者(潤羽るしあ)
解けた誤解
?「お前、何か企んでいるんだろう?ここは生者が来ちゃいけない場所なんだよ」
剣を構えたまま、るしあに相対した少女がそう言った。
るしあ「ちょ、ちょっと待ってください!そもそも、ここはどこであなたは誰なのですか?るしあは本当に何も知らないのです!」
?「白玉楼の階段を中ほどまでずかずか上ってきたやつがとぼけるんじゃあないよ」
るしあ「白玉楼?ここは白玉楼というのですか?」
しどろもどろになりながらるしあがそう言うと少女は呆れたように首を振った。
?「……そう、あくまでしらばっくれるつもりなのね。それならこの楼観剣の餌食になってもらうしかないわ」チャッ
少女が剣を握り直した。
?「さて、斬られる覚悟はできたかしら?」
ふぁんでっど「ーーー!」ヒソヒソ
るしあ「え?…うん、わかった!」
そのとき、るしあの近くにいたふぁんでっどが素早くるしあに耳打ちした。
?「妖怪が鍛えたこの楼観剣にーーー」
るしあ「斬れぬものなど、あんまり無い!」
?「!」ピタッ
るしあがそう叫ぶと不意に少女の動きが止まった。
?「・・・なぜ私の口上を知っている!?」
るしあ「え、いや…。ふぁんでっどさんが『‘’斬れぬものなどあんまり無い”って叫んでみて』って言ってたから…」
?「貴女…もしかして外の世界から来たの?」
るしあ「外の世界?どういうことなのですか?るしあは本当に何も分からないのです」
?「……その様子だと本当に何も知らないようですね」パチン
ここでようやく少女が剣を鞘に収めた。
妖夢「私はここ、白玉楼で庭師をしている魂魄妖夢と申します。先ほどは誠に申し訳ありませんでした。冥界にある白玉楼への来客は滅多に少ないゆえ、つい勘違いをして襲いかかってしまいました。何とぞご容赦ください」
少女ーーー魂魄妖夢は深々と頭を下げ、非礼を詫びた。
るしあ「初めまして、ネクロマンサーの潤羽るしあと申します。“ホロライブプロダクション”所属のVTuberをやっていたはずなんですがいまいちよく覚えてなくて……。ひとまずよろしくお願いします」
妖夢「VTuber?初めて聞く単語ですね。…しかし今の言葉で貴女が何らかの原因で幻想入りした外界人であると確信しました。よろしくお願いしますね」
るしあ「幻想入り?外界人?」
妖夢「ひとまず屋敷へご案内します。そこで私の主人でもある西行寺幽々子も交えてこの場所の概要を説明させてください」
るしあ「分かったのです」
るしあは「妖夢」と名乗った少女の案内で屋敷へ続く階段を上っていった。
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