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東方闇剣士

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月が示しし、幻想の聖剣。

 
前書き
マミゾウ「とりあえず、これで何とかなったじゃろう………」


ああ。まさかシミーという魔物の集団に襲われるとは思わなかった。ジカンデスピアで反撃できたが、これがいつ壊れるかやら………。
おっと、今はこちらを。この歴史によれば、闇の剣士・上條大地は『大空進』という名の少年と出会う。彼に弟子にしてくれと頼み込まれたが、その言葉を無視してその場から立ち去り、上白沢慧音の元へ行き、チルノの状態を説明した。
その後『銀河大航海日誌ワンダーライドブック』を受け取り、慧音の前から立ち去った直後、ソウルが召喚した生物のメギド『コマンダーダストメギド』と『ダストメギド』が人里に襲撃してきた。
迎撃しようとするもダストメギドによって取り押さえられ、阿求が殺害されるところで大空進が救助する。そのまま先ほど慧音からもらった銀河大航海日誌を使い『ジャアクドラゴン航海日誌』となり、コマンダーダストメギド諸共全滅させた。
祝え!真理を探求するべく組織を裏切り、しかし世界を護らんとする闇の剣士。その名も仮面ライダーカリバー、ジャアクドラゴン航海日誌!宇宙戦艦の力を宿した闇の剣士が誕生した瞬間である!
さて、いよいよ最初に出会う剣士が誕生する頃だろう。そこの竹に刺さっているタロットカードの通りなら、幻想の剣士がすぐそこに…………ところでマミゾウ、我々は今どの辺りかな?


マミゾウ「すまん、迷った」


………………なんてことだ。



『No.18 MOON』 

 
ソウル「私のメギドもやられたようだ。だが、仕方ないことだろう」

エビルタイガー「やはり所詮は小悪党か……なら、今度は俺の番だ」


『天界録…』


ゴース・アノウ「ほう、そちらは天使ですか?」

ミカエル「お呼びでしょうか、我が主」

エビルタイガー「お前に任務を下す。闇の剣士が利用してると思われる医療機関を襲撃しろ。医者と患者も含めて殺すことも忘れずにな」

ミカエル「我が主の命に従います」

ソウル「エビルタイガー、私のメギドを囮と見ていたのか?」

ゴース・アノウ「医療機関を襲撃する…………つまり士気を落とすということですね?」

エビルタイガー「そうだ。治療さえできなければ、さすがの闇の剣士もどうすることもできないだろう」










あの小悪党たちを倒した私は鈴奈庵へ向かっていた。もしかすると全て倒したと見せかけてまだ残ってる奴らが襲撃しているかもしれないと思ったからだ。だから私はまだ変身したままだ。


上條「小鈴!無事か!?」


鈴奈庵に到着した私は扉を勢いよく開ける。だがそこにはメギドはいない。そこにいたのは小鈴と阿求、そしてさっきの弟子入りを望む少年…私と阿求を助けた進だった。


小・阿「「上條さん!」」

進「師匠!そっちも無事だったんですね!」

上條「私のことはいい!あの小悪党共は来ていないか!?」

進「いえ、それらしい奴はいませんでした!」


よかった、ここには来なかったか……となると、別の場所にいる可能性が高い。すぐにでもここから出て、その場所に…ん?ふと思ったんだが、この里には警備員とかはいるのか?
ならばそこへ向かおうとした矢先、誰かが入ってきた。ウサギの耳を生やした少女だ。


???「ゼェ…ゼェ…あの、上條さんは、上條大地さんって人はいますか!?」

上條「いかにも私だが。永琳が言ってた弟子とはお前のことか?」

???「はい……鈴仙・優曇華院・イナバです。それより上條さん、急いで永遠亭に来てください!」

上條「まさか、今度は永遠亭に襲撃か!?」

鈴仙「はい!」


ということは、里に襲撃してきた小悪党たちは囮。本命は医療関係の襲撃か。確かにあそこを襲撃されれば、病気やケガなどの対処ができなくなってしまう。
それにあそこにはチルノがいる。このまま放置していたら最悪なことになりかねない!


上條「すぐに行く!お前たちはここで待ってろ!」

進「師匠!俺も!!」

上條「ダメだ!さっきの奴らはたまたま弱かったからよかったが、次の相手はそうはいかないかもしれない!ここで待ってろ!」










私はまた竹林の中を妹紅に案内される。途中でまたワンダーワールドに吸い込まれ、鈴仙が地中に消えたような気がしたが、今はそれを気にしてる場合じゃない。


妹紅「おい、あそこで立ち往生してるのがいるぞ?」


何?永遠亭から逃げ延びた2人か………って、白ウォズとマミゾウ!?こんな所で何をしているんだ?


マミゾウ「あ、上條!それに妹紅も!」

白ウォズ「闇の剣士!ちょうどよかった…実は永遠亭の襲撃に向かったんだが、途中で襲撃に遭ってね……戦いながら逃げてたものだから、この様だ」

上條「無事だったのか?」

白ウォズ「なんとかね。しかし、急いだ方がいいと思う。このままだと永遠亭が………」

妹紅「………あんまり時間ねぇな。お前らも一緒に行くか?」

白ウォズ「無論、そのつもりだ」

マミゾウ「やられた借りは返さんとな」


ん?やられた借り?こいつらもどこかでメギドに襲われたのか?まあそれはいいとして…。


上條「マミゾウはともかく、白ウォズは戦えるのか?」

白ウォズ「ベルトはないが、ジカンデスピアという武器がある。だから戦える」


『ジカンデスピア!』


ほう、これはまた見たことない武器だな。かなり使い込んでいるのがよくわかる。しかし、いつ壊れてもおかしくないだろう。


上條「無理だけはするなよ、白ウォズ」

白ウォズ「愚問だね。妹紅君、案内を」

妹紅「わかってる。こっちだ!」










永遠亭が見えてきた。だがよく見ると永遠亭の周りに何かの群れがいる。それに気づくのにそれほど時間はかからなかった。


妹紅「何だあれ?天使……か?」


その天使たちは何か様子が変だった。永琳たちを助けに来たんじゃないのか?


マミゾウ「上條、妹紅、避けろ!!」


マミゾウに突き飛ばされた瞬間、天使たちは何をしたかすぐにわかった。矢を一斉に我々めがけて放ってきたのだ。
突き飛ばされた私と妹紅は間一髪で避けることができた。


上條「……白ウォズ、まさかとは思うが奴らも………」

白ウォズ「ご名答。奴らもまたメギドだ」


あのような姿でもメギドだというのか?全く、あの時の小悪党のメギドといい、チルノを襲ったメギドといい、確実にレジエルたちのような幹部がいてもおかしくないな。
いや、それよりもすぐに救出せねば…。


エンジェルA「させませんよ、闇の剣士」

エンジェルB「エビルタイガー様の言う通りね。ここを襲撃すれば剣士ちゃんが出てくるって」

エンジェルA「何ちゃっかり我が主の名前出してるんですか!?」

エンジェルB「いいじゃん、冥土の土産として教えてるんだから!」

エンジェルA「問題しかありません!!倒せるかどうかは不確かなんです!!それを明かしてしまったら、何が何でも生き残るしかないでしょ!!」

白ウォズ「………あそこの天使たちが漫才を始めてる気がするのは私だけだろうか?」

妹紅「いや、大丈夫。私たちも混乱してるから」


あそこの天使メギドたちはともかく、司令塔はあれでよさそうだな。
だが、エビルタイガーか……奴もまたレジエルたちのような幹部というわけか。覚えたぞ。


ミカエル「そこまでにしなさい。茶番をしに来たのではありません。他の天使たちは引き続き、医療機関の破壊を」

妹紅「んなことさせるか!不死『火の鳥 -鳳翼天翔-』!!」


妹紅から炎の翼が生えた。


マミゾウ「なら、ワシは霊夢の姿になろうかの。変化『まぬけ巫女の偽調伏』!」


そして化け狸のマミゾウは霊夢に化けた。普通の人間に化けられるなら、幻想郷の住民にも化けることもできるのか。


白ウォズ「君は永遠亭をよろしく頼む。闇の剣士、我々はあの連中を」

上條「ああ、何としてでも守り抜くぞ」

ミカエル「闇の剣士、白き歴史の管理者にして予言者。我が主のための崇高なる使命のために…その命、神に返しなさい!」










~進side~


進「……あっ、師匠のことばかり考えててすっかり忘れてた」


小鈴と阿求に一言言って、俺も師匠を追って竹林に来たけど、俺は聖様からの頼み事を思い出した。竹林に行ってタケノコ採ってきてって言われてたっけ。
けど、師匠大丈夫かな………?俺は地面から芽を出したタケノコを掘り出すも、師匠のことが頭から離れられなかった。


進「…ん?何だこのカード?」


収穫中にあるカードが目に留まった。俺は収穫したタケノコをその辺に置くと、そのカードを拾う。
そのカードには月が描かれ、英語表記で『MOON』と書かれていた。


進「何でこんな所にカードが?」


疑問に思って調べようとした途端、カードが光り出す。


進「うわっ!?」


視界が真っ白になり、何も見えなくなる。立て続けに、俺の頭の中から謎の声が聞こえてきた。


???『知恵の実を食べた人間は、その瞬間旅人となった。カードが示す旅路を巡り、未来に淡い光を託して…』


カードから光が放たれたかと思うと、何もない空間が歪み出し、そこから徐々に何かの形を成し始めた。
物体が形を成し終えると、それは地面に落ちる。拾うと、その手にあったのは……。


進「剣と………師匠が持ってた本?」


薄い空色のエンブレムがついた剣と薄水色の小さな本だった。


???『そのアルカナは示した。明けることなき闇。それを照らす優しい月の光が、黎明へと導く一筋となると。さあ、その聖剣を手にするがいい……その瞬間、汝の望み、叶わん』


カードはそのまま砕け散り、俺は無意識のままに剣と本に手を伸ばす。その瞬間剣から光が放たれ、再び視界は白く染まり、何も見えなくなる。
それと同時にまたあの声が聞こえてきた。


???『月の象徴、幻想の剣士、ここに誕生せん。アルカナに導かれし聖剣の使い手よ、来る災厄の時に備えよ』


その言葉を最後に、何も聞こえなくなったかと思うと、視界がだんだん晴れてきた。
そして俺の手にはさっきまで地面に刺さっていた剣が納められた黒い鞘、剣のそばに落ちていた小さな本があった。だが、目の当たりにしたのはそれだけじゃなかった。


進「な、何だここォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!?!?!?!?」


俺が目にしたのは見たこともない美しい景色、無数のシャボン玉、空を飛ぶ幻獣だった。 
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