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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第八幕その六

「ひょっとしたらだけれど」
「織田作さんも来ていたんだ」
「そうしたことがあったんだ」
「あの人も」
「織田作さんの時代にもあったからね」
 だからだというのです。
「それでだよ」
「そうだよね」
「同じ時代にあってね」
「大阪にあったものなら」
「織田作さんもね」
「一緒だったかも知れないね」
「そうかも知れないね」
 こう言ってでした。
 先生は皆と一緒に動物園の中も見回っていきました、そこにいるライオンや虎、狼や象、キリンにカバにペンギンやアシカ達を観てです。
 一通り楽しみました、そのうえで。
 先生は皆と一緒に神戸に戻りましたがお家の中でもお話しました。
「本当に大阪を巡ると何かとあるね」
「そうだよね」
「色々見る場所あるね」
「何かとね」
「本当に」
「大阪って街は」
「うん、それが大阪でね」
 それでというのです。
「見て回って飽きないね」
「むしろ見れば見る程好きになる」
「そうした街だね」
「それが大阪だね」
「つくづく思うわ」
「僕もだよ、それとね」
 さらに言う先生でした。
「戦争のことを話したけれど」
「動物園でね」
「何か大阪にいてもね」
「あの戦争のことは実感するね」
「何かと」
「そうなるね」
「うん、東京もそうだけれど」
 先生はしみじみとして言うのでした。
「大阪もね」
「そうだよね」
「大阪もね」
「学んでいると戦争のことを感じるね」
「どうしても」
「空襲があって街が復興してその中で変わって」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「うん、そうだよね」
「動物園で犠牲になった生きもの達もいて」
「戦争のことを感じるね」
「今回は特に織田作さんのことを学んでいるからね」
 それだけにというのです。
「そうだね」
「あの人が戦争の頃も生きていて」
「その中で過ごしていたから」
「尚更」
「そうだよ、疎開もしていたしね」
 戦争の時はというのです。
「富田林の方に」
「あっちになんだ」
「疎開していたんだ」
「やがては」
「そうだったんだね」
「うん、戦争のことはね」 
 どうしてもというのです。
「出るね」
「成程ね」
「これまで大阪は何度も来たけれど」
「今回特に戦争を意識してるのはどうしてか」
「織田作さんが戦争の中に生きていたから」
「その時代にだったから」
「それでだよ、戦争の時の大阪のことも書いていて」
 そしてというのです。 
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