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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第七幕その二

「やっぱり空襲を受けてね」
「そうだったんだ」
「この辺りも空襲を受けて」
「それで終戦直後にだね」
「こうした風になったのね」
「駅があってその前に人とお店が集まってね」
 そうしてというのです。
「こうなったんだ」
「駅の下に出来たのね」
「鶴橋の駅の下に」
「そうだったんだ」
「そうだよ、織田作さんもここに来たことがあるかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「空襲を受ける前か人が集まってる頃でね」
「こうした時には来ていないんだ」
「織田作さんにしても」
「そうなんだ」
「織田作さんの実家に近くてもね」
 それでもというのです。
「織田作さんはこの鶴橋は知らないね」
「そうなんだね」
「かなり面白い場所なのに」
「織田作さんとはなんだ」
「そうだよ、けれど面白い場所だよね」
 このことは事実だというのです。
「本当に」
「僕もそう思うよ」
「私もよ」
「大阪には面白い場所が一杯あるけれど」
「ここも面白いね」
「人が多くて賑やかで」
「それで迷路みたいでね」
 動物の皆も言います。
「迷いそうだけれど」
「それも楽しいかな」
「少なくとも駅にはすぐに着けるし」
「それだとね」
「そうだね、鶴橋だけでなく大阪は色々な場所が迷路みたいで」 
 それでというのです。
「楽しいね」
「そうだよね」
「難波もそうだしね」
「地下鉄だってそうで」
「あと上本町もね」
「梅田もそうで」
「京橋だってそうよね」
「大阪城の周りもね。もっとも大阪城はね」
 先生はこのお城のお話もしました。
「豊臣秀吉さんがそうした造りにしていたんだ」
「あっ、敵が来ても迷って」
「それで簡単に攻めさせない」
「その為に」
「そうだったんだ、今の大阪城は秀吉さんの築いたものでないけれど」
 それでもというのです。
「場所は大体同じだしね」
「天守閣の場所は違うそうだけれど」
「場所は大体同じね」
「幕府が築いた大坂城も」
「そうだからね、それに大阪は沢山の川が流れているから」
 このこともあってというのです。
「そのこともあってね」
「迷路みたいだね」
「川も沢山流れていて」
「それでお堀や水路もあって」
「橋も沢山あって」
「東京も迷路みたいだというけれど」
 日本の首都であるこの街もというのです。
「けれどね」
「大阪もだよね」
「迷路みたいな場所が沢山あって」
「この鶴橋もそうで」
「そして大阪自体も」
「そうなっているね、そもそも日本の街はお城じゃないね」 
 このことも言う先生でした。 
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