八条学園騒動記
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第六百五十話 終わってからその十六
「そうだね」
「それでいじめ漫画は人気があるんじゃなくて」
「批判の的ね」
「それで有名でね」
それでというのだ。
「アクセスは多くても」
「人気はないんだね」
「関連のサイトや掲示板でも非難轟々よ」
「今言った通りに」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「人気はないの、けれど恋愛漫画は」
「大人気だね」
「激しくて切なくてもどかしくて」
「応援したくなるんだ」
「いいキャラばかりでしかもストーリーもしっかりしていて進むから」
それでというのだ。
「いいのよ」
「そうなんだね」
「だから人気あるのよ、王道を馬鹿にしても」
「王道が何故残ってるか」
ジョルジュが言ってきた。
「それはね」
「いいからよ」
「その通りだよね」
「シェークスピアだって残ってるわよ」
千数百年の間である、この戯曲家の作品はこの時代でも広く読まれている。
「そうでしょ」
「そうだよね」
ジョルジュもその通りだと頷いた。
「まさに」
「そう思うとね」
「王道ストーリーでもいいね」
「むしろ王道が基本で」
「基本がしっかりしてないとね」
「何も出来ないわ」
「基本は幹で骨だしね」
そうしたものでというのだ。
「そうしたものがしっかりしていないと」
「お話もしっかりしないからね」
「まずは王道だよね」
「スポーツの采配もそうだっていうしね」
「オーソドックスがやっぱりね」
「一番強いって言うしね」
下手に奇策を多用するよりだ。
「これがね」
「そこに多少奇策を入れるとね」
「それがね」
まさにというのだ。
「強いのよ」
「そうだよね」
「基本が出来ていて」
「そこから色々出来るね」
「こっちの作品の作者さんはしっかりしてるのよ」
基本、それが出来ているというのだ。
「だから王道の中にもね」
「変わったのも入れている」
「そうなんだね」
「そうなの」
二人にその通りだと答えた。
「そこも人気がある理由なの」
「よくわかるよ」
「念入りに話したしね」
「両方の漫画のことがわかったよ」
「どちらもね」
「それは何よりよ、文化祭が終わってほっとしたら」
その時はとだ、カトリはさらに話した。
「もうね」
「また読むんだね」
「そうするね」
「本当にそろそろ決着が着くから」
そのラスボスとだ。
「だからね」
「余計にだね」
「楽しみだね」
「そうよ、いい結末を期待するわ」
笑顔で言ってだった。
カトリは仕事をして言った、そのうえでだった。
仕事つまり後片付けの状況を見た、するとそちらは。
「随分奇麗になったわね」
「そうだね」
「いい感じだよ」
「あと少しで完全に奇麗になって」
「元通りになるね」
「そうなるわね、クラスも他の場所もね」
即ち学園全体がというのだ。
「そうなるわ、そうしてね」
「今日は後片付けの打ち上げ、つまり文化祭全体のそれをするから」
「飲もうね」
「そして食べようね」
「そうしましょうね」
カトリは満面の笑顔で応えた、そうして仕事を続けていった。祭りから日常に戻っていきそれはあと少しとなっていた。
終わってから 完
2022・1・2
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