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超絶ブラックな職場

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第一章

                超絶ブラックな職場
 この時東出浩紀は連日残業続きだった、それも終電間際まで残っていた。
 それでだ、彼は夜の十時になった時点で職場の時計でその時間を確認してからぼやいた。癖のある茶色の髪の毛はあちこちはねていてやや面長の顔で一重の目は大きく口もそうなっている。一七〇程の背は痩せていて派手な色のスーツは結構似合っている。
「やれやれ、最近大変だな」
「仕方ないだろ、今プロジェクトの大詰めだからな」
 先輩の豊島芳樹がこう言ってきた、一八〇近い長身で面長で鋭い目で地味な色のスーツからわかる位に逞しい身体をしている。眉は細く黒髪をオールバックにしているが一見するとその筋の人に見える。
「だからな」
「それで、ですね」
「ああ、今はな」
 どうしてもというのだ。
「忙しいんだ」
「連日残業ですね」
「週六日でな」
「週休二日なのに」
「うちの会社は本来はな」
「それで仕事は八時から五時ですが」
「今は本当にな」
 豊島は仕事を続けつつ話した。
「仕方ないんだ」
「そうですよね、やっぱり」
「残業代は出るからな」 
 豊島は東出にこのことも話した。
「それに休日出身の手当てもな」
「ちゃんと出ますね」
「ああ、それでプロジェクトが終わったらな」
 それからのことも話した。
「有休も出るんだ」
「今は大変でもですね」
「そうだ、組合もそこは保証してくれてるだろ」
「ですね、ただ組合っていいますと」
 東出はそれを聞いて今度はこう言った。
「あれですね」
「あれってなんだ」
「社会主義とか共産主義ですよね」
「企業を否定してきたな」
「共産主義だとですね」
「ああ、しかし組合はな」
 豊島はその組織についての知識から東出に答えた。
「労働者だからな」
「労働者って言えばですよね」
「社会主義かな」
「共産主義ですね、俺どっちがどう違うかよくわからないですが」 
 それでもというのだ。 
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