ハッピークローバー
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第十一話 合コンその十四
「そこまでの人気だな」
「そうなったのは」
「やっぱりな」
「劉備を裏切らなかったからよね」
「強くてな」
その強さは三国志屈指である、青龍偃月刀を振るい赤兎馬に乗った彼の強さは水滸伝で子孫が出る程だ。
「しかも頭もいい」
「学問好きだったから」
「しかも弱きを助け強きを挫く」
「おまけに勇敢で」
「それで人を裏切らないとなるとな」
「人気が出て当然ね」
「そして信用されて信仰されているのは」
それはどうしてかというと。
「やっぱりな」
「何があっても劉備を裏切らなかったからよね」
「張飛もな」
「一回張飛に疑われたけれど」
「すぐにわかったな」
張飛もというのだ。
「そうなったのはな」
「張飛も関羽がわかっていたから」
「すぐに自分の誤解だってね」
「理解したのね」
「そんな関羽だからな」
「今でも人気あるのね」
「人の理想の一つだろうな」
関羽はというのだ。
「ただ強いだけじゃない」
「人間としても立派だから」
「それでだ、陸上部のあいつ等になるか関羽になるか」
「やっぱり関羽よね」
「誰だってそう思うな」
「やっぱりね」
兄に頷いて応えた。
「そう思うわ」
「そう思うことが当然で正しいんだよ」
「そうなるわね」
「関羽でなくてもずっと一緒にいたな」
「遠井さんとね、真人さんね」
「ああしたのが理想なんだよ」
妹に真面目な顔と声で話した。
「そしてな」
「それでよね」
「お前も裏切るなよ」
「裏切れば人間として最低ね」
「そしてあいつ等みたいになるんだ」
「学園中の嫌われ者ね」
「そうなるんだよ」
最低な輩となってというのだ。
「だからな」
「しないことね」
「絶対にな」
「そうするわね」
留奈は兄に対してよりも自分自身に対して言った。
「私も」
「友達も彼氏もな」
「そうするわ」
「そういうことでな、あとな」
雅之は留奈の今の顔を見てこうも言った。
「お前随分とな」
「どうしたの?」
「いや、メイクをしたら凄いな」
「どう凄いの?」
「五割美人になったな」
「五割なの」
「まあ悪くないかっていうのが」
口ではこう言うが内心は結構以上だと思っていた、兄妹なので正直に言うのは照れ臭くてこう言ったのである。
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