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ハッピークローバー

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第十一話 合コンその十三

「人間は」
「人を裏切らずどんな時でも傍にいる」
「そんな人は信用してもらえるんだよ」
「そうよね、やっぱり」
「そんな人に出会いたいしな、それでな」
 妹にさらに語った。
「そうした人にな」
「なりたいものね」
「口でこう言っても難しいにしても」
「やっぱり人間自分が可愛いしね」
 留奈は今度は首筋をチェックしていた、そこに色気があって合コンの相手に注目されるか見ているのだ。
「いざってなったら」
「裏切ることだってな」
「やるわね」
「人間は弱いからな」
 それ故にというのだ。
「だからな」
「裏切ることもあるのね」
「あの連中は平気でやったみたいだが」
「それは最低ね」
「そんな奴等になることもな」
 人間はというのだ。
「あるんだ」
「間違えて」
「自分の身が大事になってな」
「というか友達が振られて自分が言われる位で人裏切ったら」
「論外か?」
「そんなしょうもない理由で人を裏切ってたら」
 それならというのだ。
「些細なことでね」
「裏切るか」
「誰でもね」
 それこそというのだ。
「そうするでしょ」
「そうだな、言われてみれば」
 雅之も否定しなかった。
「そんな奴は」
「ええ、けれどどんなに辛くても」
「友達だったらな」
「裏切らないことね」
「それが大事だ」
「あの連中みたいにならない為に」
「どんな時でもな」
 自分が辛くなってもというのだ。
「関羽みたいだとな」
「あの人劉備裏切らなかったわね」
「張飛もな」
「だから二人共信用出来るし」
「劉備も信用していた」
「そうなのね」 
 兄の言葉に応えた。
「裏切らないからこそ」
「桃園の誓いあるだろ」
「三国志の最初の場面ね」
「あの時に誓ってな」
 三人でそうしてというのだ。
「ずっとだよ」
「三人はお互いを裏切らなくて」
「信じ合っていたな」
「三国志だと最後の最後までね」
「だから関羽も張飛も人気があるんだよ」
「中国からの子って関羽好きよね」
 ここで留奈は学校にいる彼等の話もした。
「台湾の子も香港の子も」
「マカオでもだよな」
「華僑の子もそうね」
「中国系だとな、俺も八条学園だからわかるよ」
「関羽人気あるわね」
「あっちじゃ神様だからな」
 関菩薩とも呼ばれ天帝にさえなっているとも言われている、兎角非常に位の高い神になり信仰されているのだ。 
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