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イベリス

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第三十八話 速水の占いはその六

「その軍が悪質な業者に注意する様に言った」
「それですか」
「それを無理に軍が関与していたと」
「嘘、ですよね。その場合は」
「はい、事実を捻じ曲げて」
 悪質な業者への注意を軍が民間人を慰安婦にした様に言い立てたのだ、朝日新聞が主導したことである。
「そうしました」
「色々おかしいんですね」
「嘘はゴリ押し出来ます」
 速水はこうも言った。
「それが出来ます」
「嘘を事実にすることは」
「特定の人達があらゆる場所で大声で言い募れば」
 そうすればというのだ。
「嘘はです」
「事実になりますか」
「そうしたことになります」
「おかしくないですか?」
「そのおかしなことがまかり通ったのが慰安婦のお話で」
「今の日本の学者さんですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうなのです」
「あの、無茶苦茶ですね」
「慰安婦のことを見てもですね」
「そう思いました」
「本当に」
「そうしたものなので」
 日本の学者の世界はというのだ。
「小山さんも注意して下さい」
「酷いものなんですね」
「あまりにも」
「そうですか」
「無能なだけでなく腐敗し堕落しきり反省もです」
「しないですか」
「全くです」
 咲に対して言い切って述べた。
「それこそ。同じことを繰り返してきています」
「そうですか」
「終戦直後から」
「もう七十五年以上そうですか」
「マルクス主義のみで全く進歩がなく」
 そうしてというのだ。
「腐敗しきったまま」
「反省もしないで」
「そしてです」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「そうしたことばかり繰り返してきましたか」
「尚慰安婦はまた申し上げますが」
 咲にあらためて話した。
「北朝鮮に近い人達がです」
「言っていたんですね」
「マルクス主義を信仰している人達が」
「素人さんでもわかることをですか」
「言い立ててです」
「事実になっていたんですね」
「はい、それが日本の学者ということを」
 このことをというのだ。
「ご考慮下さい」
「わかりました」
 咲は沈んだ顔で答えた。
「そうした人達の言うことは信じたら駄目ですね」
「何があっても」
「嘘を事実にしようとする人達の言うことは」
「そこはしっかりとして下さい」
 絶対にと言うのだった。
「小山さんも」
「私もですか」
「左様です」
「それは絶対にですね」
「はい、人は見て下さい」
 くれぐれもというのだ。 
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