弟は男の娘
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第二章
ある日だった、たまたま友人達と遊びに出て彼女達と別れて一人で買いものをしていた朱夏が彼を見てだった。
即座にわかって驚きの声で彼に言った。
「あんた何やってるのよ」
「えっ、お姉ちゃん!?」
「そうよ、どうしたのよ」
「実は」
小次郎は自分がどうして女装しているかを外に話せないと見て姉が案内したカラオケボックスの中で話した、すると。
朱夏は全部聞いてからこう言った。
「私とお兄ちゃんがそう話したせいだったのね」
「自分でもそうかなって思ってね」
「それでなのね」
「女装してね」
そうしてというのだ。
「外で歩く様になったけれど」
「それでなの」
「皆注目してくれることが嬉しかったし」
「今日もだったのね」
「女装していたの」
「そうだったの」
「成程ね、しかしね」
ここでだ、朱夏はこう言った。
「あんた可愛いなんてものじゃないわ」
「皆そう言うけれど」
「女の子でもよ」
カラオケボックスの中で向かい合って座って話した。
「今のあんた位可愛い娘なんて」
「いないの」
「そうはいないわよ」
「お姉ちゃんもそう言うのね」
「言うわよ、というか変な場所歩いたら」
今の小次郎がそうすればというのだ。
「悪い奴にね」
「襲われる?」
「そうなるわよ、だから注意してね」
「わかったわ」
「私よりも女の子じゃない」
朱夏はこうも言った、今の彼女はジーンズだが小次郎はひらひらのピンクのミニスカートだ。そのことからも思って言ったのだ。
「凄いわよ、それじゃあね」
「それじゃあ?」
「もてるわ。スカウトもね」
「来るの?」
「来るわよ、最近男の娘のメイドカフェとかもあるし」
朱夏はそうした店のことも話した。
「放っておかないわよ」
「そうなんだ」
「高校卒業してもその可愛さならね」
女の子それもかなりの美少女にしか見えない弟を見て話した、見ればムダ毛の処理はしなくても肌はつるつるである。髭もない。
「絶対によ」
「そうしたお店でも働けるんだ、僕」
「断言するわ、考えてみたらいいわ」
こう弟に話した、すると。
小次郎は高校を卒業すると大学に進学したが姉の言ったことを覚えていて男の娘のメイドカフェにアルバイト募集に応えて行ったが。
そこの店長も彼に言った。
「君みたいな子は是非だよ」
「このお店で、ですか」
「働いて欲しいよ」
こう言うのだった。
「お願い出来るかな」
「若しかしてって思いましたが」
「いや、君を街で見掛けたら」
店長は真顔で彼に語った。
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