東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.
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招かれし者(西村早苗)
魔理沙再び
前書き
本章はこれで終わりです。
翌日。
いつもより早く目覚めた(西)は、まだ眠っている3人に朝食を振る舞うことにした。
西(食材は何があるっちゃろ?)
幻想郷は電気・ガス・水道といったいわゆるライフラインのうち電気だけは通っている。にとりたち河童のお陰らしい。
そしてそれは守矢神社も例外ではなかった。
冷蔵庫の中を見ると食パン、卵、牛乳などがあった。
(西)「……フレンチトーストに決定やね」
ボウルに卵を割って溶かし、牛乳と砂糖を加えてよくかき混ぜる。
混ぜ合わさったら中身をタッパーに移し、その中に半分に切った食パンを入れて浸す。
一連の作業をしているところに(東)が起きてきた。
(東)「早苗さん、おはようございます。……寝坊しちゃいました。すみません」
(西)「おはよう。気にせんでよかよ、今日はウチがご飯作るけん。早苗ちゃんはのんびりしとき?」
(東)「ありがとうございます。じゃあ私はのんびりさせてもらいますね」
(東)は居間に向かっていった。
西(礼儀正しい子やね…。)
ー
ーー
ーーー
午前8時、朝食の時間である。
神奈子「ほう、今日は早苗さんが朝食を作ってくれたのか…これは何という料理なの?」
(西)「フレンチトーストです」
諏訪子「たまには洋食も良いもんだろう?…さあ、冷めないうちに食べよう!」
全員「いただきます」
皿にはフレンチトーストが2枚とミニトマトが2つずつ載っている。
洋食をあまり食べる機会がない二人の神様は物珍しげにフレンチトーストを眺めていたが、やがて神奈子が一口食べた。
神奈子「美味しい!」
続いて諏訪子も食べる。
諏訪子「本当だ!この卵と牛乳と砂糖の絶妙なバランスが何とも言えない!」
神奈子「それでいて、食パン本来の甘みやもちもち感を十分に引き出せているわ!」
諏訪子「これぞ我々が追求していたフレンチトーストの味!これなら“至高のメニュー”チームに勝てるぞ!」
(東)「お二人とも、“美味しんぼ”の読みすぎですよ(苦笑)」
ともかく、(西)のフレンチトーストは大好評だった。
ー
ーー
ーーー
小休止したのち、後片付けを神様二人にお願いし、二人の早苗は掃除をすることにした。
(西)「そしたらウチは落ち葉掃きやるけん、早苗ちゃんは拝殿の掃除ばお願いね」
(東)「分かりました♪」
(西)「うん、よろしく」
(東)が拝殿に入っていく。
ほどなくして掃除機の音が聞こえてきた。
(西)「さてと…」
物置小屋から竹箒を取り出して境内を丁寧に掃く。真冬ということもあって落ち葉の量はさほど多くなく、ものの10分ほどで境内が綺麗になった。
竹箒を仕舞い、次は石灯籠でも磨こうかと考えていたときのことだった。
ーーードゴーン!
鳥居から雷が落ちたような音が聞こえた。
(西)がそちらを見ると青ずくめの青年が鳥居の前に立っていた。
?「……勝ったみてえだな。よし、スペル発動!」
~防御「究極の盾」~
青年の目の前に蒼く光る盾のようなものが形成される。
そのとき、眩い光を発しながらこちらに飛んでくる物体が見えた。それはまごうことなく青年に突っ込んでくる。
『危ない!』
(西)が叫ぶと同時に光を放つ物体が青年にぶつかった…と思ったら光が消え、さらには盾まで消えた。
驚いた(西)が様子を見に行くと、青年の前に少女が座り込んでいた。
少女「へへへ…また負けちまったぜ」
青年「『餅は餅屋。お前が速さ専門の俺に勝てる訳がねえ』って何度も言ってるだろ?」
少女「そうかもな。…まあ、いつかまた勝負しようぜ」
青年「ああ。次も俺が勝つけどな」
(西)は青年とは面識がなかったものの、少女のほうは知っていた。
(西)「魔理沙やん。久しぶり!」
魔理沙「おう、早苗!元気だったか?」
少女は霧雨魔理沙という魔法使いで、(西)が幻想郷で初めて出会った人物である。
青年「魔理沙。この人がーーー」
神奈子「どうした!何かあったのか⁉︎」
青年が何か言いかけたとき、拝殿の中にいた三人が飛び出してきた。
・・・というか、皆さん気づくの遅すぎますよ。
(東)「魔理沙さんと翔《かける》さんじゃないですか。今日はどうされたんです?」
翔「西村早苗さんに会いに来たんだ」
諏訪子「(西村早苗を指して)彼女がそうだよ。まあ、ここじゃなんだから上がってよ。早苗ちゃんもおいで」
(西)「あ、はい!」
ーーー6人は拝殿へ入っていった。
(融合編『初顔合わせ①』へ続く)
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