ハッピークローバー
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第八話 悪い男の見分け方その十五
「性格見るわね」
「そうしないと死ぬ程後悔するわよ」
「お姉ちゃんそうした経験あるの」
「好きになった人がいて告白して馬鹿にされて振られてね」
「そんなことがあったの」
「後でそいつの性格を皆知ったけれど」
「屑だったのね」
富美子はその話を聞いて察して述べた。
「そうだったのね」
「上にドが付く位ね」
そこまでだったというのだ。
「もうね」
「それでわかったの」
「ええ、振られてよかったと思いながら」
姉は妹に飲んで酔いながら答えた。
「好きになったこと自体にね」
「後悔してるのね」
「そうしているわ」
実際にというのだ。
「本当にね」
「好きになっただけでも」
「ええ、酷い振られ方したしね」
それにというのだ。
「しかも最低な奴だって知って」
「そんな最低な人をどうして好きになったのか」
「そう思ってね」
それでというのだ。
「後悔しているわ」
「そうなのね」
「悪い奴、屑はね」
「つまり最低な人ね」
「よく見極めることよ」
「そうしてなのね」
「好きなることよ、また言うけれど」
またビールを口に入れてから話した。
「いい人をよ」
「外見じゃなくて」
「お顔を見てもいいけれど人相とね」
「目ね」
「そうしたのを見てね」
そのうえでというのだ。
「彼氏を選びなさいよ」
「誰でもいいってことはね」
「絶対に駄目よ、ぱっと見た目だけでもね」
「本当に駄目ね」
「お姉ちゃんみたいに後悔するわよ」
「わかったわ、けれどまだ付き合わなくてよかったわね」
富美子はしみじみとした口調で述べた。
「そうなってたらね」
「もう今よりずっと後悔してたわ」
「そうよね」
「あんなの何で好きなって告白したか」
美奈代は遠い目で述べた。
「そう思ってもね」
「実際に付き合ってから後悔した方が傷が深いわね」
「そうよ、けれど後悔してるから」
「やっぱり好きになるよりも」
「まずは相手を見ることよ」
「わかったわ、そうしていくわね」
富美子はビールを飲みながら応えた、そうして合コンのことを考えていった。姉に言われたことを頭に入れつつ。
第八話 完
2021・10・1
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