ハッピークローバー
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第八話 悪い男の見分け方その十四
「そうなったでしょ」
「物凄くお金貯め込んで権力もね」
「手に入れてたでしょ」
「武力もあったわ」
「軍を率いていて董卓さん自身もね」
「物凄く強かったけれど」
その個人の武勇も董卓の強みであったのだ。
「けれどね」
「それでもだったでしょ」
「ああなったわね」
「呂布さんに殺されたわね」
「王允さんの謀略もあって」
「貂蝉さんが出て来てね」
貂蝉は演義の架空の人物だが史実でも呂布は董卓の寵愛する女と関係が出来それが露見することを恐れていたという。
「あれこれ揉めて」
「殺されたわね」
「けれど元々よ」
「董卓さんはああした人で」
「それでよ」
「破滅したのね」
「どんなに力があっても」
それでもというのだ。
「結局はね」
「屑だとなのね」
「董卓さんは屑というか暴君だったけれどね」
「兎に角性格ね」
「それを見て付き合うことよ」
「そういうことね」
「だからね」
それでというのだ。
「相手は性格を見てね」
「お顔とかお金とか立場じゃないのね」
「お顔だって変わるのよ」
これもというのだ。
「あんた面食いかも知れないけれど」
「ああ、それはね」
富美子も否定しなかった。
「相手の顔見るわ」
「それだとね」
「お顔もなの」
「顔立ちじゃなくて人相、目の光もね」
「見ることなの」
「野党の女の人の議員さんみたいな人相や」
そうしたというのだ。
「濁った目の光の人とはね」
「付き合わないことね」
「そうよ」
絶対にというのだ。
「いいわね、お顔で人を見るなら」
「人相とかを見ることなの」
「野党の女の人で白い服で黒のショートヘアでいつも誰かに噛み付いてる人みたらわかる?」
「あの人滅茶苦茶人相悪いわね」
「元々は顔立ちは悪くなくても」
それでもというのだ。
「あの人相だから悪いお顔でしょ」
「かなりね」
「ああした人と付き合いたくないでしょ」
「男の人だと」
「こう言えばわかるわね」
「よくわかったわ、お顔を見ても」
「そう、人相とね」
「目の光ね」
「そういうのを見てね」
そうしてというのだ。
「選んでね」
「わかったわ」
富美子は確かな顔で頷いて応えた。
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