ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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第39話
前書き
原作終了…。
フュージョンとポタラのこの作品内での設定
パワーアップの幅は同じでブロリー映画でゴジータが言っていたようにどちらも足し合わせて大幅アップな感じでお願いします。
その大幅アップの部分が潜在パワーとか超サイヤ人とかの変身含めてとなります。
ノーマルゴジータがブロリーと張り合えたのは多分そんな感じだと思うのでフュージョンやポタラにはアルティメット同様決まった倍率が存在しない。
この作品でのポタラ
耳飾りを着けるだけで合体でき、合体時間は人間の場合フュージョンの倍の1時間。
戦闘力を合わせる必要がないので、両者の戦闘力そのままで足し合わせて大幅アップ。
原作悟空が10でベジータが8ならそのまま足し合わせて大幅パワーアップするのでブウ編の時点ではフュージョンよりもポタラの方が強い。
欠点は合体を維持する力が底をついて一度合体が解除されると使用済みのポタラでの再合体が不可能で別のポタラを調達する必要があるって感じです。
エネルギーの消耗が激しいと合体が短時間で解除されてしまうのは元々強い人間が扱うことは前提にされていないので仕方ない面はあるが。
悟林と魔人ブウの闘いは悟林の方が有利ではあったが、長引かせるとブウが何をするか分からないため、奥の手を使うことに決めた。
「そろそろ終わりにしようか」
「何?」
「正直この技を使わなくても今の私ならお前を倒せるんだけどね…ここまで頑張ったご褒美ってことで特別に見せてあげるよ…界王拳をね…!」
悟林が赤いオーラを身に纏い、戦闘力を向上させていくと気の感知が拙いところがあるブウにも気の上昇率を理解させる。
「こ、これは…気が5倍…10倍…いや…!」
「究極界王拳!!」
潜在能力を解放した状態での現在の最大倍率の20倍の界王拳。
あの世で修行の一環として界王拳の練度を高めており、安定性や完成度では父親を上回っていると断言出来るくらいだ。
「ははー!出来た!超サイヤ人状態での界王拳は無理でもこれなら界王拳を使えると思ったんだ!」
ただでさえ負担のある超サイヤ人に界王拳を重ねるのは命を捨てるような物であり、今まで戦闘では封印していた界王拳を復活させたのだ。
時間の概念がないあの世で一度超サイヤ人状態で界王拳を発動したのだが、長時間の発動は不可能な上に死人状態でも負担を与える超サイヤ人界王拳は現世での使用は不可能だと判断したのだが、あくまでこの潜在能力解放は自分の中の秘められた力を解放するだけで負担はなく、通常状態と全く変わらないまま肉体の強度も大きく上がるこの状態なら20倍以上の倍率も不可能ではなさそうだ。
この闘いが終わったら界王拳に改良を重ねて更に倍率を上げる修行をしようと決めた。
「それがどうしたーーー!!!」
飛び掛かるブウだが、次の瞬間に顔面を数回殴られて吹き飛ばされる。
最低でも戦闘力差が20倍なので、最早ブウの攻撃は悟林からすればスローモーションのように見える。
「残念だったね、魔人ブウ。今の私の力はお前の遥か上だよ」
距離を一瞬で詰めると強烈なラッシュ攻撃をブウに叩き込み、上空に蹴り上げると魔閃光を直撃させ、煙が晴れると下半身が消し飛んでボロボロのブウの姿が現れた。
「ハッ、仕留め損ねたか。しぶといねぇ」
「お、己ぇ…かあっ!!」
損傷した体を再生するとブウが怒りの形相で向かってくる。
「汚いぞ貴様!わけの分からん技を使いやがって!」
「そっちは吸収しまくった癖に汚い言うな。お前なんかに私をとやかく言う資格はないよ」
界王拳と言うのは戦闘力を倍化させる技なので、多少の実力差を簡単に覆せる技だ。
なのでブウが汚いと思うのは無理もないが、これは修行で習得した技なので吸収して知識とパワーを得たブウには絶対に言われたくはないだろう。
ブウの激しい攻撃を軽々と捌きながら逆に手痛い一撃を顔面に叩き込む。
「さっさと吸収したみんなを返せ。そうすれば一瞬で消してあげる。お前だって痛い思いするくらいなら一思いの方が良いでしょ?」
「ほざけ!キャンディになれ!!」
「おっと」
放たれた光線をかわすと触角を掴んで引き寄せると気弾を撃ち込み、強烈な威力を誇る気弾に飲み込まれたブウは爆発に巻き込まれてボロボロになるが、悟林は手を緩めるつもりなど一切ない。
触角を掴んだまま何度も殴り飛ばし、ダメージを蓄積させて気合砲を叩き込んで吹き飛ばし、追撃の軽めに放ったかめはめ波が直撃する。
「おや?ブウ、そろそろやばいんじゃないの?体が崩壊してるじゃない」
煙が晴れるとブウの体は度重なるダメージで崩壊し始めており、崩れた肉片は再生することなく消えていく。
「ぐうう…!があっ!!」
気合を入れて崩壊していた体を再生し、ブウは疲弊しながらも笑みを浮かべる。
「あらら、治っちゃった」
「はあ…はあ…無駄だ。お前がどんな小細工を使おうが、お前にこの俺を倒すことなど無理なんだ!どんなに攻撃しようが俺には効かん!!」
「そうでもなさそうだよ。お腹に風穴開いてるしね」
「何っ!?」
悟林が指差した自分の体を見下ろすと、再生しきれずに風穴が開いたままの腹が視界に入った。
「流石のお前もダメージが蓄積しすぎて再生が追い付かないようだねぇ」
「ぐうう…ぬああっ!!」
何とか再生すると悟林を睨む。
今のブウは肉体的にも精神的にも弱っていたが、手を緩めれば何かをやらかすのはゴテンクスとピッコロと悟飯で良く理解している。
「さて、治ったようだから遠慮なく行くよ!!」
「ま、待て!俺を殺せばお前の師も弟達も死ぬことになるぞ!お前に師や弟達を殺せるのか!?」
「心配してくれるの?ありがと、だけどそれがどうかした?」
「何!?」
「お前の一部のままでいるくらいならピッコロさんも悟天もトランクス君も死んだ方がマシだと思うだろうさ。お前、ベジータさんを殺して、母さんやお祖父ちゃん。ブルマさんやみんなも殺した。そんな奴の一部になってまで生き延びようとするヘタレじゃないんだよ!!」
悟林はブウの腹に拳を叩き込み、痛みに悶えているブウの顎を蹴り上げると追いかけて滅多打ちにする。
ブウを肉体的に精神的に限界まで弱らせてからあることを試すのだ。
「いい加減目を覚ましなさい!この馬鹿悟飯!!ピッコロさん!何時までブウの中で眠ってんの!?悟天とトランクス君も起きて!!」
触角を掴んでブウの耳に怒声を叩き込む。
怒りの矛先はブウに吸収されている悟飯達だ。
ゴテンクスのフュージョンが解けたことから恐らく吸収された悟飯達は生きたまま閉じ込められているはず。
もし意識があるなら抵抗しているはずなので眠っている可能性が高い。
この怒声にブウの体内の4人が反応したのか、ブウの動きが鈍くなる。
「お前体はでかくなっても根性は子供の頃より無くなってんじゃないの!?違うんならとっとと目を覚ましなさいこの馬鹿弟!!」
目に見えて苦しみ始めたブウ。
どうやら4人が拒絶反応を起こし始めたようだ。
「お…おああああ…ぐがあああ…お!!」
「もう一押しか…さっさと…起きろ馬鹿ーーーっ!!!」
目一杯の怒声にブウは堪えきれずに逃走してしまった。
「あっ!おい待て!!」
悟林は慌ててブウを追い掛ける。
近くで様子を窺ってた悟空達もそれを追いかけようとするが、何故か助かっていたサタンに駄々をこねられて連れていくことに。
するとブウの気が大きく減り、同時により恐ろしさが増したような性質の物に変化した。
ブウの近くに向かうと、そこにはブウの体内から吐き出された4人と…一番最初の太っちょのブウがいた。
「……?何で一番最初の奴までいるの?」
悟林は知らないが、あの悪のブウは太っちょのブウから分かれたブウが太っちょのブウをチョコレートにして補食すると言う変わった方法で吸収されていた。
恐らく悟飯達を吐き出す時に一緒に吐き出されてしまったのだろう。
ブウは吐き出した悟飯達に手を翳すと気弾を撃とうとするが、それよりも先に悟林が蹴り飛ばした。
「危なかった…ちょっといきなり何を…」
「ウホーッホッホッホッ!!」
起き上がったブウは奇声を上げながらドラミングする。
「え?何?何なの?」
しばらくドラミングしてたかと思えば突然ピタリと止まり、次の瞬間突撃してきた。
「!?」
突然の突撃に虚を突かれながらも攻撃を受け流しながら反撃する。
顔面を殴っても驚異的なスピードで再生する。
パワーとスピードは悟飯達を吸収してきた時よりは大きく落ちているものの、動きや攻撃が不規則と言うか、本能的な物になっている。
「(対処出来ないわけじゃないけど、やりにくいな…!)」
背後に回り込んで組んだ拳で殴り飛ばし、そのまま追撃を仕掛けようと追い掛けるが、ブウが足を地面に突き刺すのと同時に悟林の顎を蹴り飛ばす。
「ぐっ!」
不意を突かれた悟林は大きく吹き飛ばされるが、何とか態勢を整えて連続で飛び出す足をかわしていく。
途中でブウが気功波を放ってきたが、それを片腕で払うと仕返しとばかりにかめはめ波でブウを粉々する。
粉々になり、飛び散った破片が蠢いたかと思えばブウが無数になって復活した。
「えーーー!!?嘘でしょーーー!!?」
小さな破片がかめはめ波で粉々になる前と同じサイズで再生されており、しかも気は全員1人の時と同じである。
「ギャアアアアッ!!」
無数のブウが気弾を撃ち込んできたために、咄嗟に防御する。
「あんなに分裂してるのに全然気が落ちてないし…!こんにゃろうっ!!」
全身から気を放出し、気功波が無数に放たれた。
その気功波により、大半のブウが消し飛ばされ、追撃での連続気弾によって残りのブウは粉砕されるものの、即座に元通りとなった。
「…どうなってんの、パワーとスピードは間違いなく落ちてるのに何で回復力はパワーアップしてるの…ん?」
「キッ!!」
「うわっ!?」
足をプラプラさせていたブウは突然足を伸ばして攻撃してきた。
ギリギリでかわしたが、心臓に悪い。
再び突撃してくるブウの猛攻をかわしながら一撃を確実に当てていく。
「ウギャギャギャオ~~~ッ!!!」
顎を殴り飛ばして上空に打ち上げるとブウはムスッとした表情の後に雄叫びを上げた。
「っ!!?」
突然の雄叫びに耳を咄嗟に塞ぐが、ブウが腕を上げた直後に巨大な気弾が手のひらの上に作られた。
時間経過と共に気弾の規模が凄まじく巨大となり、単純な戦闘力ではブウの遥か上を行く悟林でも跳ね返せない程となった。
「ちょ、ちょっと!それを撃つつもり!?」
普通ならば限界以上の気を込めると大きく疲弊するものだが、ブウにはそれがない。
避けることは出来ない。
避ければ地球が消滅し、下にいる弟達が巻き込まれてしまう。
「こうなったら!真正面から吹き飛ばしてやる!!最大まで気を溜められないけど、やるしかない!!」
20倍界王拳を維持しながら尊敬する師匠の必殺技を放つために指を額に当てて気を溜めるとブウが気弾を放ち、悟林もまた今出せる最大威力の魔貫光殺砲で迎え撃つ。
「魔貫光殺砲ーーーっ!!」
指から放たれた特大の気功波がブウの気弾に直撃するものの、少しずつ押されている。
「ぐっ!こいつ…どこまで気を入れたの!?」
悟林は気弾を貫こうとするが、ブウが駄目押しとばかりに追加の気弾を放ち、魔貫光殺砲と競っている気弾に撃ち込むと更に気弾が巨大化した。
「ちょ、ちょっとおっ!!?」
押し込まれていく魔貫光殺砲に悟林の表情が強張った。
一方、闘いを見守っていた悟空はブウに気付かれないように移動し、悟飯達を瞬間移動でデンデの近くに移動させていた。
「信じられねえ…ブウの奴…限界なんてあっさり超えてる気を使ってんのに全然疲れてねえ…」
恐怖はあるが、同時に感じるのは感嘆だ。
最強の戦士になった娘をあそこまで追い詰めるなんて。
最早、悟飯が目を覚ましてもどうにもならないほどにブウの気弾は強大になっていた。
「オラじゃ全く力が足りねえ…どうすりゃいい…?」
悟林に加勢したいが、力の差がありすぎて役には立てないだろう。
何か別の方法を考えるが…。
「おい、カカロット!」
後方から感じた馴染みの気に振り向くと、超スピードで向かってくるベジータの姿があった。
「ベジータ!?おめえ……あ、そうか!閻魔のおっちゃんがおめえを!」
死んでいるはずのベジータの姿に驚くものの、頭の輪を見て1日だけ生き返ってきたのだろう。
「おい、聞きたいことは山ほどあるが、ブウの奴はどうなってやがる?何だあのチビの姿は」
「あ、ああ…吸収していた悟飯達と太っちょのブウを吐き出したらあんな姿になっちまったんだ。」
「…あれがまともに落ちたら地球など消し飛ぶぞ…!」
「ああ、悟林が何とか耐えてくれてっけどよ。あれじゃ……あ、そうだ!!」
「?」
焦っていた悟空だが、何かを閃いたのか声を上げた。
それに嫌な予感を感じたベジータ。
「実は悟林にある技を教えてもらってよ。あれを使えば」
「断る」
「オラまだ何も言ってねえぞ」
「フュージョンと言いたいんだろう!俺は知ってるぞ、それが何だか!!」
「え?知ってんの?」
「俺はあの世で悟林がチビ共に教えるのを見ていたんだ…!冗談じゃない!あんなみっともないポーズが出来るか!悟飯を叩き起こして悟飯とやれ!」
「いや、あいつ全然起きねえし…た、頼むベジータ!このままだとトランクスも殺されちまうぞ!それに…ブルマやみんなも生き返らせることが出来ねえ!ブルマ達はブウに食われちまったんだ!!」
「…!!」
「地球が無くなっちまったら、もう終わりだ!頼むベジータ!」
「…………くそったれ…!やってやる!カカロット、早くしろ!」
「ベジータ…!」
「貴様はポーズに専念しろ!俺が合わせる!!」
悟林のフュージョン修行の際に悟空がリズム音痴だと聞いているため、自分が合わせるしかないと判断したベジータは集中力を研ぎ澄ませる。
「行くぞベジータ!」
「俺に指図するな!失敗したら許さんぞ!!」
「「フュージョン…はっ!!」」
場所は戻って悟林は必死に気弾を押し返そうとしていたが、そろそろ界王拳が限界に近付いてきた時であった。
「ま、まずい…そろそろ限界…」
「「ビッグバンかめはめ波!!」」
隣に聞き慣れた2人の声が重なったような声が聞こえ、放たれた気功波が一気に押し返された。
隣を見遣ると、そこにはメタモル星人の民族衣装を纏った男がいた。
「え?お父さん…ベジータさん!?」
男から感じる気に悟林は目を見開く。
「「悟空とベジータが融合して、ゴジータだ。さっさと終わらせるぞ」」
ゴジータと名乗った融合戦士は一気に気を解放すると、超サイヤ人3へと変身した。
フュージョンによって基本戦闘力が上がったことにより、変身可能になったのだろう。
「…へへ、やっぱりお父さん達は最高だ!」
「「フッ、さあ…行くぞ!!」」
「はい!!」
「「「行けーーーーーっ!!!!」」」
一気に気を入れて気弾を粉砕し、2つの気功波をまともに喰らったブウは悲鳴を上げることなく一瞬で消滅した。
潜在能力解放状態での20倍界王拳の魔貫光殺砲と、超サイヤ人3状態のゴジータによるビッグバンかめはめ波を真正面から受けたブウは細胞1つ残さずに消滅した。
そして先ほどのビッグバンかめはめ波に全力を使ったことと、超サイヤ人3に変身したことでエネルギー切れを起こしたのか、ゴジータの融合はすぐに解除されてしまい、2人は初めての超サイヤ人3への変身の影響で座り込んでしまう。
「お父さん、ベジータさん。お疲れー」
「おう、おめえも頑張ったな…」
「フン」
座り込んだ悟林が2人を労うと、悟空は笑いながら応え、ベジータは相変わらず素っ気ない態度だ。
「それにしてもブウは強かったね」
「ああ、一対一じゃ勝てなかった」
「フン…次はフュージョンなどしなくても勝ってみせる」
「まあ、ブウのことだから地獄行きは確定だろうし、良い奴に生まれ変わると良いなー!」
ブウの生まれ変わりなのだからきっと強い個体として生まれ変わるだろう。
何となくそんな気がした。
「はは、そん時は思いっきり闘いてえな。今度は一対一で闘いてえ」
悟空も楽しみなのかそんなことを言い出す。
「おい、トランクス達の所に行くぞ」
立ち上がったベジータは気絶している悟飯達の元に向かい、悟林達も急いで向かった。
悟林達は早速悟天とトランクス、ピッコロを起こした。
「おはよう」
「え…?姉ちゃん!?」
「悟林さん!?それに…パパ!」
もう現世にいないはずの2人の姿に悟天とトランクスは驚くものの、次の瞬間2人は飛び付いた。
「パパ!何時生き返ったの!?」
「…生き返ったわけじゃない。頭に輪があるだろう、1日だけ生き返っただけだ。」
「そっか…でもドラゴンボールを集めてナメック星って所のドラゴンボールでパパを生き返らせるよ!」
「…そうか」
父子の会話に悟林は微笑みながら2人を褒める。
「はは、2人共。良く頑張ったね、超サイヤ人3に変身したのを見た時は驚いたよ…本当に良く頑張った…私は2人を誇りに思う」
「「へへ…」」
照れる2人だが、次は起こされたピッコロが歩み寄る。
「すまん、迷惑をかけたな」
「良いよピッコロさん。だったらまた私の修行に付き合ってよ」
「お前の修行にか?良いだろう、俺も基本から鍛え直すとするか」
師弟の会話に悟空が微笑み、悟飯を起こそうとする。
「ほれ、悟飯。早く起きろ、悟林も帰ってきたぞ」
「う…うう…」
他の3人より意識が深く落ちているのか、悟空が揺すっても起きない。
「あー、駄目だよお父さん。悟飯はこう起こさなきゃ」
「「あ!?」」
近くの川に放り投げると悟飯は水の中に沈み、悟空と悟天が慌てて駆け寄り、気泡が浮かんだかと思うと悟飯が飛び出してきた。
「殺す気か姉さん!!」
「ほーら、起きた。ピッコロさん直伝の悟飯の手っ取り早い起こし方だよ」
「ねえ、パパ…ピッコロさん…悟林さんと悟飯さんって…もしかして仲悪いの…?」
「…さあな」
「悪くはない…はずだ」
ずぶ濡れの悟飯を指差して笑う悟林に、トランクスは姉弟仲が悪いのかと2人に尋ねるものの、微妙な返答が返ってきた。
「ところで…」
デンデの治療を受けて回復を終えると、次は吐き出された最初のブウの元に歩み寄る。
「さーて、こいつどうする?」
「決まっている、さっさと始末してしまえ!」
悟林が問いかけるが、ベジータからはブウの始末の声が出た。
「そ、そうだよ!起きたらこいつ絶対襲ってくるよ!」
ベジータが死ぬ原因となったブウに対してトランクスも警戒しながら同意する。
「うーん」
「ま、待ってくれ!」
悩む悟林に今まで蚊帳の外だったサタンがブウに駆け寄って庇うように立ち塞がった。
「サタンさん?」
「ブ、ブウを殺さないでやってくれ!こいつはそんなに悪い奴じゃないんだ!わっ、悪い奴に命令されて、あっ、あんなことを…!」
「え?確かにバビディは死んだけど…どうなのピッコロさん?」
地球の状況は自分よりもピッコロの方が理解しているだろう。
尋ねてみるとピッコロは少しの間を置いて口を開いた。
「…ブウが分離したのは馬鹿な地球人の行動によるものだ。それさえなければブウはミスター・サタンによって改心する手前だった」
「うーん、どうしようピッコロさん?」
「この中で一番強いのはお前だ。お前が決めろ」
「………よし!じゃあ今回だけ見逃すよ!ただし、悪いことしたらその時は必ず倒すから!!」
「な、何だと!?貴様正気か!!」
「まあまあ、良いじゃねえかベジータ…もしそん時が来たらオラ達がまた闘やいいさ。オラ達もブウが暴れても一対一でやっても負けねえように修行しようぜ。それにどうしようもなく悪い奴じゃねえんだろこいつ?ピッコロやおめえみたいになるかもしれねえじゃねえか…だろ?」
悟林の判断に反対しようとしたベジータを宥める悟空。
「チッ…どうなっても知らんぞ…」
「と言うわけでサタンさん。今回は特別に見逃すけど次はないよ?」
「あ、ありがとう…本当にありがとうっ!!」
「ついでに悟飯とビーデルさんの交際を認めてくれれば私としては嬉しいんだけど」
「いいっ!?」
「ね、姉さん!何てこと言ってるんだよ!僕達はまだ付き合ってないんだから!」
「へえ、ビーデルさんにお姉さんって呼ばれたからてっきり…と言うか両想いなんだからくっついちゃいなよ。悟飯が結婚してくれれば私は結婚とか恋愛とか面倒な思いしなくていいしさ」
「僕のためと言いつつ自分のために行動してない?」
「当たり前でしょ」
愛娘に恋人発覚と言う地獄を味わって放心しているサタンを余所に姉弟喧嘩をする2人に笑う者と呆れたように見つめる者がいた。
その後、ドラゴンボールを回収して悟空の瞬間移動でナメック星に向かい、ナメック星のドラゴンボールと併せて願いを叶えた。
嬉しい誤算はナメック星のドラゴンボールはフリーザのことがあってから最長老がパワーアップしており、何人でも生き返らせることが可能となっていたことだ。
地球とナメック星のドラゴンボールの神龍を同時に見て同時に願いを叶えるなどこれが最初で最後だろう。
1つ目の願いはボロボロになった地球を元通りにすること。
2つ目はバビディが地球にやって来てから現在にかけて殺された者達を極悪人を除いて復活させること…ベジータは無事に生き返った。
3つ目はブウの記憶を人々から消し去ること。
4つ目はナメック星人達の好意によって地球に悟林達を送ってもらった。
5つ目は…使われることなく、ポルンガは消えたのだろう。
神の神殿に向かうと、そこには仲間達がおり、1人も欠けずにそこにいた。
ブウが現れたことで一悶着あったものの、ピッコロが説明してくれたことで落ち着きを取り戻した。
「まさか7年経ってから帰ることになるなんて思わなかったよ。私ね、老界王神様の命を貰って生き返ったんだ!」
「じゃ、じゃあ!また一緒に暮らせるだか!?オラや悟空さと、悟飯と悟天とおめえの家族5人で…」
「勿論!あー、お腹空いた。早く家に帰ってご飯にしようよ!」
「全く…おめえは変わんねえべ…」
7年前と全く変わらない娘の性格にチチは笑った。
「あ、あのー…今日、俺も泊まっていいかな?」
「へ?…ああ、そういうこと」
ベジータとブルマをチラチラと見ながら尋ねてくるトランクスに悟林は納得すると同意した。
勿論家族全員了承してくれたので、トランクスを含めた孫家は久しぶりに全員が帰宅することに。
「はーい、みんな!お待たせー!!」
久しぶりの自宅に帰宅してトランクスも来たので料理を追加することになったのだが、悟林も料理に参加したのでチチは楽チンだ。
「おー、悟林の飯だ!」
「美味しそう!!」
「やっぱり悟林ちゃんがいると楽だべ!」
「お腹一杯食べてね!トランクス君も!」
「は、はい!」
料理にがっつくサイヤ人達。
サイヤ人が5人もいることでテーブルに並んでいた特盛料理は瞬く間に減っていく。
「ねえねえ、姉ちゃん。」
「何?悟天?」
「食べ終わったら一緒に遊ぼうよ!」
「良いねえ、トランクス君もどう?」
「え?じゃあ俺も」
「悟天、今日くらいゆっくりするだよ。姉ちゃんも悟天もトランクスも疲れてるべ?」
悟天の誘いに乗り、トランクスも誘う悟林だが、ブウとの闘いの後のためにチチが止める。
「別に私は平気だよ、神様に治してもらったし」
「そうだよ!」
「心配しすぎだよおばさん!」
「(悟天、嬉しそうだな…昔から姉さんと遊びたいって言ってたもんな。トランクスも…未来のトランクスさんみたいに姉さんが死んでなかったら絶対に仲良くなってただろうし…)」
早速色々と考えている3人を見て悟飯は食器を置いた。
「おーい!悟飯、久しぶりにお姉ちゃんと遊ぼう」
「え!?い、良いよ僕は!」
「なーに言ってんの!久しぶりにお姉ちゃんが相手してやるから!」
「ぼ、僕は勉強があるから!じゃあ!!」
悟林の手を避けて悟飯は逃げるように自室へ引っ込んだ。
「何?あいつ?グリーンヤサイマンと言い本当におかしくなっちゃって」
「悟飯もお年頃なんだべ、おめえも何時か分かるだよ」
「ふーん、お年頃ねえ?2人共、外に出よう。2人の実力を見せてもらうよ!!」
「「はーい!」」
外に出る子供達を見ながら悟空は笑みを浮かべながら食後の茶を啜り、チチは苦笑しながら皿洗いを始めた。
逃げるように自室に戻った悟飯は勉強机の椅子に座り込んだ。
外の悟林達の気が異常に膨れ上がって一際でかい轟音が響いてフュージョンしたのであろう、ゴテンクスの悲鳴が聞こえたことに苦笑した。
「はあ…(姉さんがいるだけでこんなにも家の雰囲気が変わるのか…姉さんが生き返るなんて…あの時は思いもしてなかったもんな…)…ん?これは…懐かしいな」
地球にラディッツが来る前に家族全員で撮った写真であり、初めて撮る写真を怖がっていた自分とそんな自分を笑う姉の姿が写っていた。
「(父さんは昔と全然変わらないなあ…もしかしてサイヤ人って歳を取るのが遅いのかな?今度ベジータさんに聞いてみよう)」
「ちょっと悟飯、布団敷かせてよ」
「いっ!?姉さん!?」
「静かに、2人共気絶してるんだから」
「あ、うん」
悟飯の部屋に布団を敷くと、そこに2人を寝かせる。
「いやー、修行で気絶してお休みなんて昔の悟飯ちゃんみたいだよね。ところで何見てんの?…うわ、懐かしい写真。悟飯ちゃん泣いてるー。いやあ、今も昔も変わんないね」
「…これ、何年前の写真?」
「多分、私達が4歳になったばかりのじゃない?」
「4歳か…悟天も…それくらいから姉さんと遊びたかったかな…僕がもっと強かったら…姉さんはセルとの闘いで死ななかったのかな…」
「どうだろうね、もしかしたら死ななかったかもしれないし、死んでたかもしれない。まあ、今更どうにもならないよ。今は過去のことよりも今に目を向けなよ。大丈夫大丈夫、今度はいなくなったりしないから多分」
「そこは絶対って言ってよ」
7年の空白を埋めるように笑いながら会話する姉弟に様子を見に来た両親が笑いながら退散したのであった。
「ところで姉さん」
「何?」
「姉さんが家に帰ってきた時のためにやりたかったことがあるんだ」
「やりたかったこと?」
嫌な予感を覚えながら聞き返すと悟飯は机から見覚えのある時計を取り出した。
「念のために予備を貰っていて良かった。」
「ま、まさか…」
「そのまさかだよ!姉さんに見せるために練習していたとっておきのポーズを披露しようと…」
グレートサイヤマンの姿となり、早速悟林にポーズを見せようとする悟飯だが、弟の痛い趣味は姉として全力で矯正しなければなるまいと悟林は心を鬼にして潜在能力を静かに解放した。
「どうやら悟飯ちゃんは私が死んでる7年間ですっかり忘れちゃったようだねぇ…私がそんなグリーンヤサイマンみたいな下らないジョークが嫌いだってことを…少し頭冷やそっか?」
次の瞬間、部屋の窓から勢い良く吹き飛んでいく物体があり、翌朝の早朝に早速悟林との修行のためにパオズ山に訪れたピッコロがお気に入りのパオズ山の小川の水を飲みに川に降りたところで流れてきた悟飯を発見し、ピッコロが回収して悟空に渡されたのであった。
後書き
安定の青年悟飯ちゃん。
GSマンは受ける人には受けるが、受けない人にはとことん受けない。
最後のブウの攻撃はどでかい気弾に更に気弾を追加して威力アップしていく感じ
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