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イベリス

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第三十四話 中間テストの結果その二

「しかも自己中だからね」
「親戚だけじゃなくて」
「そいつを知ってる人全員からね」
「嫌われてるのね」
「それでそいつが言うから」
 その為にというのだ。
「私もね」
「勉強してるの」
「そうなの、自分より明らかに頭悪い奴に馬鹿にされるって嫌でしょ」
「そう言われるとね」
 咲もそれはと頷いた。
「私だってね」
「そうでしょ」
「私もそれなりに勉強してるつもりだし」
「それで全く勉強していない奴から馬鹿とか言われたら」
「嫌な気持ちになるわ」
「それでそいつが物凄く嫌な奴なら」
 それならというのだ。
「尚更でしょ」
「実際にね」
「そういうことよ、しかしね」
「しかし?」
「勉強って自分を馬鹿にしてくる奴が近くにいたら」
 そうであればというのだ。
「やろうって気持ちになるわね」
「その人に馬鹿にされたくないから」
「そいつが性格悪ければ悪いだけね」
「そういうものね」
「そう思うわ」
 こう咲に話した、すると。
 他のクラスメイト達もだ、こう言った。
「そういうのあるわね」
「勉強以外でもね」
「部活でもそうよね」
「それでアルバイトでもね」
「あんな奴に馬鹿にされるか」
「そう思ってね」
「頑張るわね」
 彼女の言葉に頷いて述べた。
「馬鹿にされてたまるか」
「嫌な思いはしたくない」
「そう思ってね」
「頑張るわね」
「そうね、私はそうした経験ないけれど」
 それでもとだ、咲も周りの話に頷いて述べた。
「そうした相手がいたら」
「なるわよね」
「自然と」
「そうよね」
「ええ」
 実際にというのだ。
「悔しいからね」
「まあそうした奴って嫌われるけれどね」
「人を馬鹿にして笑う奴とか」
「親戚でもクラスにいてもね」
「どうでもね」
「自分はそうはなりたくないけれど」
 それでもというのだ。
「近くにそうした奴がいるとね」
「勉強頑張るかもね」
「馬鹿にされて腹立つから」
「見返そうと思って」
「ええ、マイナスの感情だけれど」
 それでもとだ、咲は話した。
「そう思って頑張ることもね」
「それが自分にプラスになるならね」
「まだいいかも知れないわね」
「劣等感も逆にバネになるならいいっていうし」
「近くに嫌な奴がいて馬鹿にしてきてもね」
「出来るだけいて欲しくないけれどね」
 咲はどうしてもこの感情を否定出来なかった、誰でも嫌な相手は傍にいて欲しくないとも思いつつだった。 
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