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イベリス

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第三十二話 夜の会話その五

「そして起きている時もね」
「頑張っていたのね」
「どれだけ寝ても」
 それでもというのだ。
「起きている時に頑張ったらね」
「いいのね」
「そうよ、寝る時は寝て」
「起きた時に頑張ることね」
「そしてすぐに寝られる体質だったら」
 今度はこちらの話だった。
「幸せよ」
「私ベッドに入ったらもうね」
「あんたは子供の頃からよね」
「それはいいことなのね」
「そうよ、お母さんもそうだけれど」
 母は自分のことも話した。
「すぐに寝られたらね」
「いいのね」
「不眠症になったら」
「大変よね」
「思いきり身体を動かして」
 そうしてというのだ。
「頭も使ったらね」
「よく寝られるの」
「限界までそうしたら」
 身体も頭も使えばというのだ。
「そうしたらよ」
「すぐに寝られるの」
「ええ、悩みがある時は」
 その時はというと。
「そうしたらいいわ。運動が嫌いでも」
「私がそうね」
「思いきり歩いて」
 散歩をしてというのだ。
「そして本でも何でもよ」
「読むの」
「それで徹底的に両方動かしてね」
 身体も頭もというのだ。
「そうすればね」
「寝られるのね」
「それで食べることも」
 こちらもというのだ。
「するのよ、牛乳を飲んでもいいわよ」
「牛乳いいの」
「ええ、牛乳を沢山飲んだら」
「よく寝られるの」
「それで駄目なら病院行くことよ」
「治療受けるのね」
「それでも駄目な時もあるから」
 これも身体や心のことだ、自分ではどうにもならない場合も往々にしてある。だからこそ医者や薬剤師がいるのだ。
「その時はね」
「お医者さんね」
「そっちにね」
「そうなるのね」
「ええ、けれどね」
「不眠症も治るのね」
「おおむねね、だからね」
 それでというのだ。
「あんたが若しなっても」
「治すことね」
「そうよ」
 そうすることが大事だというのだ。
「いいわね」
「そうするわね」
「ええ、身体とね」
「頭をなのね」
「思いきり動かせば」
 そうすればというのだ。
「かなりね」
「寝られるの」
「悩んでいるのも馬鹿馬鹿しくなるわよ」
「そうなの」
「そりゃ人間解決しないといけないことはあるわ」
 それはどうしてもというのだ。
「生きているとね、お仕事とか家庭のこととか」
「自分のことでもよね」
「そう、生きてると色々あるわ、けれど不眠症になるまで悩んでも」 
 例えそうしてもというのだ。 
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