ハッピークローバー

「それ？」
「ただ単に入る人と採用する人達の関係でしょ」
「そういうのじゃないの」
「学校の中でも男の人が多い場所とね」
「女の人が多い場所があって」
「それぞれあって」
　それでというのだ。
「全体で見るとね」
「同じだっていうのね」
「それだけでね」
「別にそうしたのはないのね」
「そうじゃないの？よくわからないけれど」
　こう一華に話した。
「特にはなくて」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
「ただ？」
「男女比率が同じなら」　
　かな恵はそれならと述べた。
「いいでしょ」
「交際には」
「そう、それならね」
　こう言うのだった。
「そうでしょ」
「そうね、あぶれないから」
「何なら」
　かな恵はさらに言った。
「大学とか中等部にね」
「相手の人をなのね」
「そうしてもいいし」　
　目を向けて探してもというのだ。
「別にね」
「大学生の人って大人だから」　
　一華はいささか引いてかな恵に応えた。
「だからね」
「じゃあ中学生の子はどう？」
「そちらもね」
　やはり引いて言った。
「年下で」
「それで同級生なのね」
「そうじゃないと」
　どうしてもというのだ。
「私は」
「そうなのね」
「ちょっとね」
　一華はさらに言った。
「先輩はね」
「抵抗あるのね」
「それで年下の子も」
「同じなのね」
「どうもね」
　こう言うのだった。
「私としては」
「私もね」
　かな恵も言ってきた。
「年下の子ってなると」
「ああ、かな恵弟君いるから」
「そう、明男いるから」
　だからだというのだ。
「年下の子はね」
「弟君思い出すから」
「いいわ」
「そうよね」
「私は年上の人がね」
　留奈は視線をやや上にやって言った。
「駄目よ」
「留奈ちゃんお兄ちゃんいるからね」
「そう、だからね」
　留奈はかな恵に答えた。
「それでね」
「年上の人がなの」
「無理よ、お兄ちゃん思い出すから」
「そうなのね、けれど同じ歳で結婚することって」　
　かな恵は留奈にもいつもの口調で話した。