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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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染岡とアツヤの絆

「はっ…ふっ!」

「くっ、せいっ!」

「よし一之瀬!パスを回せ!!」

「天空橋!」

土門くんのディフェンスを掻い潜った一之瀬くんは
鬼道くんの指示により私にパスを渡す。

「ナイスパス!塔子ちゃん!」

「よし来た!壁山!」

「ほいっス!」

私から塔子ちゃん、壁山くんへと渡る。


前で並走しているアツヤくんと染岡くん。
染岡くんがアツヤくんに話す。

「アツヤ!やろうぜ!」

「…てめぇ脚は大丈夫なのかよ」

そんなアツヤくんを見た染岡くんは笑う。

「お前意外と心配性だなぁ…、おい杉森ぃ!今、すげぇもん見せてやるぜ!!」

そんな染岡くんはワイバーンクラッシュの構えを起こし
上空へとボールを蹴り上げる。

上空へ昇るボールと共に、地面よりワイバーンが飛立つ。

グオオオオ!!

「ワイバーン……!!」

前へと放たれたワイバーンクラッシュにアツヤくんが合わせる。

「いいシュートじゃねぇか…!ブリザードォォ!!」

杉本くんへと唸りをあげるシュート。

「す、凄まじいシュートだ…!」

そんなシュートだが杉森くんは楽しそうだ。

「シュートポケットV3ィィ!!」

ギュルルルル!!

「杉森くんの技も凄い…!以前とは比べ物にならない!!」

「ぐおおおおおおっ!!」

グワシャーン!!

「よぉぉし!!」

決まったボールに染岡くんが叫ぶ。

「やっぱり凄いっスぅぅぅぅ!!」

「カッコいいでやんすぅぅ!!」

壁山くん、栗松くんも目を輝かせる。

「…これが今の雷門の実力か…!流石だぜ…」

川東くんもワクワクしているような目で見ている。

「くぅ…!いい連携技だ!アツヤとか言ったな!お前立派にあの豪炎寺の代わりを務めているじゃないか!」

「豪炎寺…?」

豪炎寺という言葉に聞き覚えのないアツヤくんは首を傾げる。

そんな杉森くんの言葉に染岡くんは言い返す。

「…豪炎寺の代わりじゃない。アツヤはアツヤ。吹雪アツヤだ。豪炎寺は豪炎寺だ」

そんな言葉にアツヤくんは少し嬉しそうだ。

「…ふっ、会ってみてぇよ。その豪炎寺って奴に」

「…へっ。そのうち会えるさ!」






「ぐわああああ!」

連続でマシンガンのように飛んで来るボールに吹き飛ばされる小暮。

「ぐっ…く、くっそお!何だよこんなの何も出来ねぇ!その気になった俺が馬鹿だったぁ!!」

そんな叫んでいる小暮の顔にもう一発。

「ぐええっ!」


バアアン!

勢いよく修練場から飛び出す小暮。

「やめやめっ!!…やってられっかこんなの!!」

そのまま勢いよく走り出す小暮だったが人にぶつかってしまう。

どんっ

「…つ、ててっ…。ん?」

小暮がぶつかったのは春菜だった。

そんな春菜を見た小暮は春菜の持つタオルを取ると
スタスタと歩き出していく。

「小暮くん何処行くの!?」

「何処でもいいだろっ」

「特訓は!?あの技完成したの!?」

「あんなの偶然だ」

そう言い捨てる小暮。

「あんなの偶然で出来るはずがない!…ねぇ、出来るまで付き合うよっ?一緒にやろうよ!」

その言葉に反応した小暮。
しかし彼から発せられた言葉は冷たいものだった。

「…いっしょに。一緒にって…」

小暮は今まで見たことないような表情叫ぶ。

「かあちゃんと同じこと言うなぁぁぁ!!!」

物凄い剣幕に春菜は立ち尽くす。

「…一緒にって言う奴なんか…信じられるかぁ!!」

つい勢いのように言ってしまった小暮。
小暮は春菜の顔を見ると、とても驚いているようだった。

「…ぁ…」

春菜は言葉が出てこない。

小暮は寂しそうな顔になると、うずくまりタオルを被る。

只事では無いと感じた春菜。
小暮に声を掛ける。

「…ねぇ、お母さんと何かあったの…?」

小暮は少し間を開けると口を開いた。

「……俺が凄く小さかった頃。一緒に旅行に行こうって連れてかれたんだ。…途中駅で弁当買ってくるから荷物の番してろって言われてさ。…でもあいつ戻って来なかった」

予想外の言葉に春菜はショックを受ける。

小さい子にはどれだけ辛かったことだろうか。
頭の中で想像するだけで伝わるだろう。

夕方になり、日が暮れ、月が昇る。
それでも小暮の元に母親は現れなかった。

「…俺、ずっと待ってたんだよ?それからさ、もう誰も信じるもんかって。信じても……ろくなことない」

そう言い放った小暮は俯く。

「………………こ」

春菜がこの気まずい雰囲気をどうにかしようと声を掛けようとした時。

「…なぁんてな!」

自分の人差し指で両方の頬を突きながら笑う。

「…んんっ!」

頭のタオルを取る小暮。

「お前がやれって言うからさ、もうちょっと頑張ってやるよ」

小暮はタオルを春菜に預けると修練場に向けてもう一度歩みを進める。

「……ん…っ?」

小暮が渡したタオルがモゾモゾと春菜の手で蠢く。

ぴょーん

「…ひゃあっ!」

飛び出して来たのは蛙だった。

「…うっししっ……!!」

「こっ……!…ふっ」

何か言いたげな春菜だったが少しほっとしたのか笑みが溢れる。

ゲコッゲコッ










「うおおおおおおっ!行けぇぇぇぇ!!ワイバーン!!」

「であああああああ!ブリザードォォォォ!!」

グオオオオオオオ!!

「おおっ!やってるな!!」

そんな中、鉄塔から帰って来た円堂くんがそう言いながら階段を降りてくる。

「俺もやるぜ!!」

そう叫んで来る円堂くんにアツヤくんは笑う。

「おお円堂!見てろよ…染岡!もう一度だ!」

「いいぜ!やろうぜアツヤ!もう完璧だぜ円堂!」

「ああっ完璧だぜ!もういっちょっ行くぜぇ!!」

染岡くんが放つワイバーンクラッシュにアツヤくんが合わせる。

「「ワイバーンブリザードォォォォォォ!!」」

グオオオオオオオ!! 
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