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花好きの男

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第二章

「特にね」
「菊は皇室の御紋で桜はまさに日本のお花」
「それでなんだ」
「桜と菊があったわ」
 日本軍にはというのだ。
「武の中にお花もあれば際立つでしょ」
「奇麗な感じがするね」
「だからいいの、誰がお花好きでもね」
「そうなんだ」
「だからあんたもよ、そもそもお花屋さんなら」
「お花好きでないとね」
「出来ないわ、じゃあ華道とコーディネイトもね」
 どちらもというのだ。
「頑張りなさい」
「そうしていくよ」 
 詠人も答えた、彼は両方を同時にはじめたがそれがだった。
 見る見るうちに腕を上げていてだった。
 秋桜は母に言った。
「お兄ちゃんどっちでもね」
「華道もコーディネイトもよね」
「はじめたばかりなのに凄く上手で」
 それで3というのだ。
「評判になってるらしいわ」
「いいことじゃない、だったらね」
「だったら?」
「このままよ」
 娘に確かな声で話した。
「頑張ってもらうわ」
「そうするのね」
「お金の心配はいらないわ」
 これはというのだ。
「うちにそれだけの余裕があるから」
「うち貧乏じゃないの」
「そこまでじゃないのよ、というかあんたもね」
 娘にむっとした目で告げた。
「少しはね」
「またそれ?」
「そうよ、そういうのも習ったらどうかしら」
「部活と塾で忙しいわ」
 だから駄目だというのだ。
「とてもね」
「そうなのね」
「ええ、ただ私も」
「そうよ、あんたかお兄ちゃんがお店継ぐのよ」 
 このことは絶対だとだ、母は娘に告げた。
「だったらね」
「それならよね」
「あんたもよ」
「お兄ちゃんがいても」
「それであれだけお花に詳しくてもよ」
 それでもというのだ。
「経営のことがあるでしょ」
「お店の」
「お兄ちゃんにその才能があまりにもなかったら」
「その時は」
「お店潰れるから。それでもお兄ちゃんはあれならやっていけるけれど」
 店を経営する才能がなくとも、というのだ。
「コーディネイターとしてね」
「フラワーコーディネーターね」
「華道も免許皆伝になったら」
 そこまで至ればというのだ。
「お兄ちゃんそっちも夢じゃないみたいだし」
「そっちの道で生きていけるわね」
「けれどよ」
「お店って」それだけじゃやっていけないのね
「そうよ、だからお父さんもお母さんもね」
 二人共というのだ。
「お店のことだってね」
「ちゃんとなのね」
「経営の勉強して色々回りや流行も見て」
「経営してるのね」
「そう、だからあんたもね」
「そうしたこともなのね」
「勉強しなさい、あんたはお花のこと勉強しないなら」
 それならというのだ。
「お店継いだらどうするのよ」
「私まだ学生だけれど」
「それでも将来のことはね」
 このことはというのだ。 
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