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ハッピークローバー

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第一話 幸せとは何かその十四

「だから私達が来ればね」
「絶対になのね」
「誰かね」
「告白してくるのね」
「それでその子がいいと思ったら」
 その時にというのだ。
「付き合えばいいのよ、それもね」
「それも?」
「肉食で」 
 それでというのだ。
「いいでしょ」
「正直肉食でないとね」 
 留奈も言った。
「商業科で彼氏なんて出来ないわよね」
「ピラニアでないとね」
「ピラルクじゃね」
 巨大だが大人しいこの魚ではというのだ、どちらもアマゾンの魚なのでこう言ったのだ。
「ちょっと以上にね」
「駄目なのね」
「そうよ、商業科はアマゾンよ」
 まさにそれだというのだ。
「弱肉強食のね」
「修羅の世界ね」
「女子にとってはね」
 まさにとだ、留奈は一華に言い切った。
「ピラニアが巣食うね」
「恐ろしいところね」
「ピラニアじゃないとしたら」
「それならよね」
「ジャガーにカイマン、アナコンダにサンゴヘビにデンキウナギにオオナマズがいる」
「あらためて聞くと凄いわね」 
 一華もここまで聞いて思った。
「アマゾンって」
「私も思うわ。ドクガエルもいるし危ない虫もね」
「一杯いるわね」
「そんな魔窟でね」
「商業科がそうなのね」
「その中で彼氏ゲット出来るのは運がいいか」
 それかと言うのだった。
「猛獣の中の猛獣よ」
「そうした娘だけね」
「先輩だって普通に参戦してきて」
 理虹も言った。
「またどの人も女子力磨いてね」
「そうそう、皆奇麗よね」
「ダイエットしてお肌整えて」
「髪の毛もメイクも奇麗にして」
「もう出すとこ出して」
「誘いかけるから」
「フェロモン全開でね」
 そうした感じでというのだ。
「先輩も来て」
「最近一年生もよね」
 一華は喉をごくりと動かして言った。
「皆どんどん奇麗になってるわね」
「女子力磨いてね」
「フェロモンも出して」
「そうなってきてるけれど」
「それは何故か」
「彼氏ゲット」
「もうその為にね」
 まさにというのだ。
「そうなってきてるわね」
「猛獣の巣窟なのね、商業科って」
「彼氏狙っての」
「いや、こんなのだって思わなかったわ」
 富美子は腕を組んでやれやれという顔で述べた。
「商業科って」
「そうよね」
「こんな中で彼氏何なくゲット出来るとしたら」
 一華に考える顔で言った。 
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