セルビアの子犬達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
家族を探すことにした、ここで団体の責任者がマリンコビッチに話した。
「うちは欧州全体で募集しているからね」
「だからですね」
「この国以外からもね」
セルビア以外の国からもというのだ。
「保護している子達を引き取りたいと言って」
「それで、ですね」
「引き取ってもらっているけれどね」
「それならですよね」
マリンコビッチは責任者である所長に話した。
「クロアチアでもコソボでも」
「引き取ってもらっているよ」
「それで今度は」
「君がゴミ捨て場で保護した」
「スメステンをですか」
「ドイツからだよ」
この国からというのだ。
「引き取りたいという人がね」
「出て来たんですか」
「それでその人と話して」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「引き取ってもらうことがですか」
「決まったよ」
所長はマリンコビッチに笑顔で話した。
「彼等が名前をココにしてね」
「スメステンからですか」
「そうなったよ、じゃあね」
「それならですね」
「あの子にドイツで幸せになってもらおう」
「それは何よりです、ゴミ捨て場で保護してよかったです」
「全くですね」
マリンコビッチは所長に笑顔で応えた、そうして彼が引き取られドイツに旅立つのを笑顔で見送った。その後で。
冬に彼は犬の救助を頼まれた、それで現場に行くと。
「ワンワン」
「あれっ、犬から来たな」
「そうだな」
一緒にいる同僚も言った。
「じゃあすぐにな」
「保護をするか、子犬もいると聞いてたけれど」
救助を頼まれた時にそう聞いていたのだ。
「子犬は何処かな」
「今から探すか」
「近くにいればいいけれど」
「この雪だし何処かに隠れてるのかな」
「ワンワン」
二人で話しているとだった、その自分達のところに来た白と黒の毛色で丸い目の犬はすっとだった。
ある場所に歩いていった、そして。
そこで二人を振り向いて来た、それでマリンコビッチも同僚もわかった。
「ああ、あそこか」
「あそこに子犬がいるな」
「それで子犬を助けて欲しいか」
「そうなんだな」
二人は頷き合いそうしてだった。
ページ上へ戻る