僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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第七章
7-⑴
会社の連中にバーベキューに誘われていた。休みの土曜の3時からだという、中之島のテラスに向かった。参加メンバーは開発の女性2人と製造の僕と同年代の男性2人 荒井真一、中野誠と、僕と同期入社の高卒で入った女性 吉川華とで、みんなで6人だ。
僕が着くと、もう、同じ開発の天野原愛((あまのはらあい))が来ていた。白いサブリナパンツに花柄のパーカーを着ていた。
「蒼君 天気が良いのはいいけど、少し、暑いかな」と元気良く挨拶してきた。
「うん でも、太陽の下って久々だから、気持ち良いよ」
「そうかな 日焼けした子と肌白い女の子 どっちが好み?」
「別に、どっちでもいいよ 明るい子ならね」
「そう 私 日焼けは避けようと思っているから シミになるからね」
その間に他の3人も揃ったので、始めようとしたが、開発の友部さんが少し遅れると愛ちゃんに連絡があったみたい。
「まぁ すてき 私 こういうの初めてなんですよー」と、吉川華が感激して言ったら
「華ちゃん 初めて? テニスばっかりやってたもんね」
「そうなんですよ 練習ばっかりで、遊びに行けなかったんです」
彼女は中学高校とテニスをやっていて、高校のときも関西では上位だったらしいが、3年の夏に肘を痛めて大学の推薦も駄目になって、就職したらしい。だから、学生のときは、練習ばっかりだったのだろう。そのせいか、ミニスカートから伸びた筋肉質の脚も褐色だ、ただ眼が青白く輝いて見えた。
乾杯を終えて、肉類が焼けた頃、友部さんが子供連れでやってきた
「ごめんね 主人が帰って来なくって 待っていたんだけど 結局、この子連れてきちゃった」と、男の子を連れていた。
「何だぁー 別に良いですよー 僕 お名前は?」と、愛ちゃんが聞いていた
「友部健一郎 5才です」と、言って直ぐにお母さんのうしろに隠れていた。もう一度、乾杯しよっと愛ちゃんが言って、仕切り直した。
「製造の人って、あんまり、飲み会やんないよね」と、友部さんが言い出したが
「そうですね 課長はやりたがっているんだけど、僕達は、そういうの あんまり、好きじゃぁ無いんで 今日は、華ちゃん 行くって言うし、これぐらいの人数なら」
「それに、愛ちゃんに誘われたら、喜んできますよー」
「わぁ 嬉しいわね でも、製造のエース二人を連れ出したのわかると恨まれるかな 女の子に人気あるものね」
「そう 優しいんですよね 二人とも でも、この前、叱られてたんだよー」と、華ちゃんが言い出すと
「誠が馬鹿なんだよ ミクちゃん 知っているだろう? あの子がタマネキを運ぼうとした時、足を滑らせて転んだんだよ その時、誠が後ろから、抱きかかえて支えたんだだけどけどね この馬鹿 「重かったね」 と言ってしまって ミクが「失礼ね いつまで触ってんのよ」と怒られてんでやんの」支えた時、胸に手まわしてたんだよね」と、真一がその時のことを説明していた。
「いや 僕は ただ 転ぶのを守っただけだよ」
「だけど、その後が どんくさいよ 何の言い訳もなく 謝ってしまってさ 確かに、周りから見ると胸をしばらく触っていたよ」
「違うんだよ 抱えた時、僕も尻もちをついてしまって、しばらく動けなかったんだよ だけど、柔らかかったけどな 胸の感触」
「うそー やーらしい 誠さん」と、華ちゃんがはやし立てていた。
「男って、そーいうことってあるんだよなぁー そのつもりなくてもさ 僕も、この前、ボールペン落として拾らおうとしたら、偶然、頭が愛ちゃんのお尻に触れちゃってね、その時の愛ちゃんの顔が鬼のようになっていたよ」と、僕が言うと
「あらっ あの時はわざと落としたって思っていたよ」と、愛ちゃんがサラッと返していた。
飲み食いしている間に、健一郎君もお腹いっぱいになってきたのか、ぐずりだして帰りたそうだったので、友部さんが先に帰るねと言いだして、みんなでお開きにしようとなった。
「荒井君と中野君は責任もって華ちゃんを送って行くんだよ」と、一方的に言っていた。が、こそっと僕に
「もう少し、付き合ってね」と、小声で言ってきた。そして「華ちゃん、ちゃんと送ってもらうんだよ」と、みんなを送り出していた。
何で、僕がと思っていたら、「おトイレ行くから、待っててね」と、念を押されて、ずるずると・・
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