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ペットショップにいた時から

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第一章

               ペットショップにいた時から
 国崎洋介はこの日仕事が終わるとすぐに家族の一員であるトイプードルの女の子ふわりの散歩に出た。
 そして散歩が終わるとふわりの足を拭いて家にあげてからご飯を水をあげたが。
「ワンワン」
「またそのおもちゃで遊んだな」
「ワンッ」
 ふわりはご飯と水を楽しむと自分のケージの中に自分から入って熊のぬいぐるみのおもちゃとじゃれだした、洋介はそのふわりを見て笑顔になった。
「本当にそのおもちゃ好きだな」
「そうよね」
 母もそのふわりを見て言った。
「色々おもちゃ持っててね」
「どのおもちゃでも遊ぶけれどな」
「ふわりが一番好きなおもちゃは」
「やっぱりそのおもちゃね」
「何ていうかな」
 洋介は母の由里子にふわりを見ながら話した。
「一番愛着があるみたいだな」
「そうね、その熊のぬいぐるみがね」
「そのおもちゃは」
 ここで洋介はこうも言った。
「ふわりあの連中の家にいた時からだよ」
「そのおもちゃ持ってたのね」
「それでずっと遊んでたよ」
「そうだったのね」
「ずっとケージに閉じ込められていた時も」
 自分達の子供が出来て無視される様になった時もというのだ。
「その時もな」
「そのおもちゃと一緒だったの」
「あの連中が言うにはな」
 ふわりを捨てた前の飼い主達がというのだ。
「ふわりがペットショップにいた時から」
「一緒だったの」
「この娘がケースにいた時に」
 まだ子犬でペットショップのそこにいた時にもというのだ。
「一緒にいたそうなんだよ」
「そうなのね」
「ブリーダーの人のお家で生まれてオークションにかけられてペットショップに入って」
 そうしてというのだ。
「その時にな」
「ペットショップの人が入れてくれたの?」
「そうらしいな」
「そうなのね」
「前にふわりがいたペットショップに行ってさ」
 そうしてというのだ。
「状況話したら」
「元気にしてるって」
「喜んでくれて」
 そしてというのだ。
「おもちゃのこともなんだよ」
「お話してくれたの」
「熊のぬいぐるみ入れてな」
 ふわりが今遊んでいるそれをというのだ。
「ふわりの友達にしたんだってな」
「そうだったのね」
「それでも今もな」
 ペットショップから出て数年経つがというのだ。
「こうしてな」
「一緒に遊んでるのね」
「大事にしてるんだな」
 洋介はしみじみとして言った。
「おもちゃを」
「ふわりっておもちゃ壊さないのよね」
 母は息子にふわりのこのことを話した。
「大事にするわね」
「飽きないでな」
「ずっと遊ぶ娘ね」
「ものを大事にする娘なんだな」
「そうよね」
「それで飽きないで友達もな」
 そのぬいぐるみもというのだ。
「大事にしてるんだな」
「そうした娘ね」
「ああ、そう思うとな」
 洋介はしみじみとした口調になって述べた。 
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