レーヴァティン
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第二百二十一話 道を調べたうえでその六
「宜しくやってくれ」
「それじゃあね」
「さて、それで俺達はな」
「スコットランドを南からだね」
「山を越えてな」
そのうえでというのだ。
「攻めるな」
「そうするんだね」
「ああ、そういうことでな」
「お互いだね」
「攻めていこうな、精鋭でも戦力を分散させて」
久志は鋭い目になりにやりと笑いつつ述べた。
「そしてな」
「そのうえでだね」
「囲む様にしていけばな」
「勝てるね」
「どんな強い奴もキマイラとかヒドラとか両面宿儺でもないとな」
両面宿儺とは飛騨今の岐阜県の北に伝わる朝廷に逆らい悪の限りを尽くしたとも地域に尽くしたとも言われる者だ、頭の前後に顔がありそれぞれの方向に手があり踵がない異形の存在であったという。
「後ろは無防備だ」
「それだね」
「だからな」
「どんな強い敵もね」
「囲むとな」
それが普通の者ならというのだ。
「勝てるさ」
「そうだね」
「ああ、じゃあな」
「これからだね」
「そうして攻めるな」
こう言ってだった。
久志は水軍も動かしてスコットランドを囲んで攻めることにした、そして。
その様に軍を動かし実際にだった。
自身も主力を率いてスコットランドをリバプールを拠点として攻めにかかった、その時に。
前の山脈を見て言った。
「さて、あそこをな」
「越えますね」
「ああ、まずはな」
「そうしますが」
「絶対にハイランダーとロングボウ兵がな」
その彼等がとだ、夕子に話した。
「いるな」
「それは間違いないですね」
「ああ、しかしな」
「それでもですね」
「ここはな」
是非にと言うのだった。
「攻めるな、山岳戦でしかもな」
「それに加えてですね」
「ゲリラ戦になるな」
「何処から攻められるかわからないですね」
「隠れるのに適していてな」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「敵が地の利を心得ていると」
「その時はな」
まさにというのだ。
「絶好の機会だから」
「やってきますね」
「間違いなくな、どうするか」
「上から見ましょう」
夕子はすぐにこう提案した。
「ここは」
「舞空の術に空船を使ってか」
「そうしてです」
「いつもしている様にだな」
「空から見る」
敵をというのだ。
「そうすればです」
「敵の場所を掴めてな」
「地形もですから」
「それだけで全く違うよな」
「圧倒的有利に立てます」
そうだというのだ。
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