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IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス

作者:ハト胸
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二人の男性操縦者!

 
前書き
相川拓夢
 16歳、黒髪に青い瞳。
 身長177cm、細く見えがちだがその体は極限まで鍛えられている。
 プロボクサーの免許有り。
 中学のときは水泳で県大会三位。
 交友関係は広く、様々なことに手をだしている。

 恋人は現在いない。
 想い人もいない。

 一夏には及ばずも、端正な顔立ちで人気がある。 

 
 「なぁ一夏」
 
 「なんだ拓夢」

 「これはなんて苦行だ?」

 「・・・知るか。俺も聞きたいぞ」

 「そうだよな」

 「あぁ、そうだ」

 「「・・・はぁ」」

 女子に囲まれた教室の一角。
 そこで男二人、諦めた雰囲気でため息をつく者達がいた。
 というか、俺と一夏だった。
 

 いきなりため息をついてしまった。
 暗い雰囲気では駄目だ、気分を切り替えよう。



 俺が一週間と二日、意識を失って入院した事件から7年の月日が経った。
 あの後、俺が起きたことを知った一夏と箒に泣かれ、後からきた両親に泣かれ、俺も貰い泣き。
 涙ダラダラで再開を喜んだ俺達は、無事家に帰れることになった。
 もともと外的要因もなく、精神的な症状に見られたことから原因は不明だったそうだ。
 その後一ヶ月の通院と検査をへて、晴れて完治したといわれたときは喜んだもんだ。

 ISが世間に認知されてからというもの、世界は大きく変化した。
 アラスカ条約に基づき、ISの軍事利用が禁止される。
 篠ノ之束。
 箒のお姉さんの手により世界各国に467個のコアをばら撒かれ、ISの研究が盛んに。
 父さんの出版社も、その影響を受けてISをモチーフにした漫画が多く出されることになった。
 ISは女性にしか動かすことが出来ない。
 その事実が、世間の風潮を女尊男卑に傾けていったことにより、男は肩身の狭い思いを味わうことにもなる。
 もちろん、ウチではいつもと変わらずラブらぶな日常があった。

 要人警護プログラムだかなんだか知らないが、箒とその両親が引き離され、どこか遠くの町へ行ってしまった。
 プログラムのために、手紙を出すことも出来ない。正直辛かった。友達がいなくなるのは。

 俺と一夏は変わらずの日々を送り、中学校で五反田弾、鳳鈴音、御手洗和馬という親友を得た。
 妹が反抗期すら迎えずに、デレデレで心配をしつつ嬉しく思ったり。
 父さんと母さんが三人目を作ろうとしていたり。
 五人でバカやって、はしゃいだりしていた。

 そして迎えた受験の日。
 俺と一夏は藍越高校に入学するために、試験を受けに行った。
 そこで、どういうわけか一夏がISに触れてしまい起動させる。
 近くにいた俺は、一夏と共にお偉いさんに引っ張られ、検査を受けることに。
 そして何故か検査の結果、俺にも適正があることが判明。
 まさかの事態に政府は混乱。
 全国で一斉に、男がISを使えるかのテストが行われた。
 だがしかし、判明したのは俺と一夏しかISを使えないという事実。

 まぁ薄々分かっていた、この結果は。
 一夏はともかく、俺まで束さんに目をつけられていたし。
 きっと束さんに目をつけられたのは、前世の記憶が有る云々を正直に皆に話したせいだ。

 そんなこんなで現在。
 俺と一夏は教室のドまん前、それも真ん中で肩身の狭い思いをしていた。


 IS学園。
 そこはISをまなぶために設立された教育機関であると同時に、治外法権が認められている独立した空間。
 島を一つ丸ごと学園にしたというとんでも設計に、各国からいろいろな少女が集められるシステム。
 そして、どの国も干渉できない決まり。
 まさに、ISのためだけに設立された研究機関のようだ。
 俺のイメージは大型の実験施設である。
 
 まぁ生徒の身の安全はこれ以上無いというくらい保障されているし、飯も美味いし寮も綺麗だ。
 一夏はこれなかったが、俺は事前に下見に来ていた。
 そのときに見学したのだが、IS学園の本気を見せ付けられた感じた。

 時間をみると、そろそろ最初のHRが始まる時刻。

 周りで騒いでいた女子も、各々席に着き始めている。

 「あ、あの・・・」

 そして、俺にも声がかけられた。

 振り返ると、薄紫よりは青色に近い髪の女子生徒の姿が。
 たぶん日本人、顔立ちからしてそうだ。
 でも、なんで黒髪じゃないんだろうか?
 多国籍で色んな人がいるIS学園じゃ色髪も珍しくないけど、むしろこの子には似合っていると感じる。
 
 ・・・、そうだ返事。

 「ん、なにかな?」

 きっと何か聞きたいことが有るんだろう。
 一夏じゃなくて俺に声を掛けてきた意味は、なんだろうか?

 「そこ、・・・私の席です」

 「へ?・・・・あ、ああ!ごめんごめん!」

 とんだ赤っ恥だった。
 座席表をちら見した一夏がどまんなかに座って、その隣が空いていたから。
 てっきり俺の場所かと思っていた。
 
 「おいおい拓夢。お前、座席表くらい見ておけよ」

 元凶と思われる一夏は、あわてる俺を見てにやけながら、そんな事を言ってくる。
 コイツ・・・ッ、誰のせいで間違ったと思ってるんだ!

 完全に自業自得なのは棚に上げておきたい。

 「じゃあ、俺の席は・・・と」

 とりあえず立って、椅子を引いて彼女を座らせる。
 なにやら顔を赤くしてたみたいだけど、そんなに怒ってるのだろうか?

 『あ、あの子ずるい・・』
 『私も隣だったらよかったのに』
 『あの人、執事さんみたい・・・ッ』

 再びざわざわとなる教室。
 時折、女子特有のくすくす笑いまで聞こえてくる。

 うわ、これは恥ずかしい。
 早く席見つけないと。

 そんなとき、女神が降臨した。

 「相川くーん、こっちこっち!席、ここだよ~!」

 名前を呼ばれた。
 教室の廊下側一番前。そこは小中と俺の指定席のごとき場所だったのに、先客がいた。
 濃い目の紫の髪の毛を短めに切り揃えた感じの髪型。
 ちょっとたれ目で癒し系な茶系の瞳が、らんらんと輝いている。
 自分の席を立ちながら、自己主張するように右手を上に上げてぶんぶん振っている少女。
 名前は・・・・、まだ知らない。

 ともかく、呼ばれたのは俺だ。
 一夏も視線で行って来いと言っている。
 というか、教室中から俺に視線が集まっている。

 なんだこのプレッシャーは!

 「あ、ありがと。助かったよ・・」

 「いいよいいよ~。あ、私の名前は相川清香。よろしくね!」

 なんとか向けられた視線を堪え、出来るだけいい笑顔でお礼を言いながら席に着くことができた。よかった、視線も分散したようだ。
 それに、ざわざわとそこらで談笑が始まったようで、俺としても話しやすい雰囲気が出来ている。

 「よろしく。俺の名前は・・・って知ってるのか」

 「そうだね、君有名人だもん!織斑くんと同じでね」

 「あー、そっか。テレビとかでも散々言われてたからなぁ」

 「そうだよー、私と同じ苗字の 相川拓夢君」

 ちょっと語尾が上がる感じで。たとえば、語尾に音符がついた感じといえば分かるのだろうか?
 相川さん・・・、清香さんはにっこりと笑って楽しそうにしている。

 「よかったー、思ってたより話しやすい人で」

 「ん?それどういうこと」

 「いやぁ、テレビで見るとなんだかクール系って感じで、話しかけづらいかなって思っちゃったからさ~」

 「えぇ、クール系?・・・言われたこと無いわ」

 「本当?でもでも、相川君なかなかもてるんじゃない?」

 「俺がモテる?ははっ、ないない。確かに告白されたことはあるけど、一回だけだし」

 「おおー!告白とな?」

 「やっぱり、女子ってそういう話好きなんだ?」

 「あったりまえだよ~!気になるなぁ」

 「っと、先生着たみたいだし、ここまでってことで」

 「えぇ~!!そりゃないよー」

 「ごめんごめん」

 「んー、悪いと思ってる?」

 「思ってるよ」

 「じゃあ、私の事を清香と呼びなさい!」

 「え、それでいいの?」

 「うむ、今日のところはそれで許してあげます!」

 「ははっ、じゃあ清香って呼ばせて貰うな」

 「わ、私は相川君の事、拓夢君って呼んでもいい?」

 「もちろん。どっちも相川だし、漢字も同じなわけだし、したの名前の方がわかりやすいもんな」

 「やったー!じゃあそういうことでよろしく!」

 「おう、よろしく~!」

 そこで会話が途切れる。
 と、同時に周りから音が消えていた。

 あれ、なにか・・・?

 「貴様等。初日から話も聞かず、お喋りとはいい度胸だ・・・」

 すぱぁん!!ぱんっ!

 「ぐおっ!!?」

 「い、痛いっ」

 響く快音が二度。ちなみに最初のが俺だ。
 あれ、二回目は・・・?

 「あ、清香か」

 「うぅ~、痛い・・・」

 どうやら俺達は二人揃って頭を叩かれたらしい。
 
 「おい相川」

 「「は、はい!!」」

 どすの聞いた声に、俺と清香はそろって返事をする。
 それはもう条件反射みたいなものだ。
 返事をしないと叩かれる、そんなイメージが頭から離れない。

 「人の話は、しっかり聞くことだ。わかったな?」

 「「はい!もちろんです!!」」

 「いいだろう」

 か、解放された・・・。

 思わずほっとため息をこぼすと、清香も同じくため息。
 なんだか苗字が同じだけじゃなく、行動も似てるなぁと思いながら声の主の顔を見ようと顔を上げると

 「ち、千冬さん・・・」

 「ここでは織斑先生と呼べ」

 最強の姉、織斑千冬その人が降臨なさっていた。
 俺の学生生活、一体どうなるんだろうか・・・・・・。 
 

 
後書き
 同じ苗字ということで仲良くなった拓夢と清香。
 相川清香はアニメオリジナルキャラですね。
 可愛いので登場させてみました。
 主人公のいい友になればと思いまして。

 どこか意気投合した二人は、原作で言う自己紹介をするまえの山田先生の話を聞かないでお喋り。
 それを早めに登場した最強の姉、千冬が制裁をくだしましたとさ。

  
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