恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百八話 怪物達、世界を語るのことその四
「いいな、そこはな」
「そうっちゃな。親孝行も大事っちゃな」
「それは忘れるなよ」
「じゃあ今度餃子でも御馳走するっちゃ」
ホンフゥの好物である。
「蒸し餃子のフルコースっちゃ」
「餃子か」
「それなのか」
「そうっちゃ。餃子っちゃ」
それのことをだ。アクセルとマイケルに話してだ。
さらにだ。二人に対しても言うのだった。
「どうっちゃ?今から」
「餃子か。いいな」
「中華街でよく食ったぜ」
「では私もお邪魔するでしゅ」
食べると聞いてだ。チンも乗ってきた。
「ラーメンは私が御馳走するでしゅよ」
「あれっ、あんたがか?」
「自分の金出すっていうのか?」
「食べることは皆で食べてこそでしゅ」
だからだというのだ。
「遠慮することはないでしゅよ」
「そうか、じゃあな」
「一緒に食べるか」
「茶玉子も出すぞ」
タンはこれだった。
「身体によいしあっさりとして美味い」
「あれっちゃな。朝に食うと最高っちゃな」
ホンフゥは茶玉子にも乗った。
「じゃあ食べるっちゃよ」
「よし、それじゃあな」
「麻雀じゃなくて食うか」
こう話してだった。彼等は食べることに専念するのだった。
彼等の多くは今はリラックスしていた。その中でだ。
董卓は劉備のところでメイドとして働いていた。一応死んだことになっているからだ。
その彼女が働きながらだ。同じ部屋にいて手伝ってくれている陳宮に尋ねた。
「あの」
「何なのです?」
「少し考えたんだけれど」
少しおどおどした感じのいつもの調子でだ。董卓は話す。
「司馬尉仲達と一緒にいたあの二人は」
「于吉と左慈なのです?」
「うん。あの人達ってこちらの世界の住人でも私達の世界の住人でもないらしいけれど」
「そうなのです。そこなのです」
陳宮も董卓のその言葉に頷いて言う。そしてだ。
一緒の部屋にいてやはり手伝ってくれているリムルルに尋ねた。
「リムルルも知らないのです?」
「うん、悪いけれど」
リムルルもだ。こう言うだけだった。
「僕達の世界にもあの二人はいなかったよ」
「やっぱりそうなのです」
確めなおしてだ。それから頷く陳宮だった。
「どちらの世界の人間でもないのです」
「じゃあ第三の世界の人間になるわ」
常に董卓といる賈駆の言葉だ。
「その世界は一体」
「何処なのかしら」
董卓も首を捻る。ここでだ。
不意にだった。何故か部屋にだ。
華陀が出て来た。それで一同に言うのだった。
「ああ、于吉や左慈のことだな」
「あっ、華陀さん」
「どうしてこの部屋に?」
「瞬間移動で来た」
あっさりとそれとだ。華陀は董卓とリムルルに話す。
「あの二人の術でな」
「相変わらず非常識な術ね」
賈駆はこのことにはもう慣れているがそれでもだ。
いささか呆れた顔でだ。華陀に言った。
「しかも僕達の話を聞いていたのも」
「ああ、地獄耳だ」
何でもないといった調子で華陀はまた答える。
「俺も針を使ってそれができるんだ」
「そのツボを知っているのが流石よね」
「ダーリンはやっぱり凄いわ」
いつもの怪物達も普通にいきなり出て来る。
「それができるからこそよ」
「最高の名医よね」
「そういえば」
この二人を見てだ。賈駆はふと思った。
それでだ。こう彼等に尋ねたのだった。
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