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八条学園騒動記

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第六百二十八話 冷気と風その七

「そう言われてるだけで」
「実際はしないでしょ」
「そういうことしなくてもね」
「子供は強く育つから」
 だからだとだ、ナンは言った。
「教育次第で」
「そんなことしなくてもね」
「というかそんな馬鹿な選別していたら」
 子供達をというのだ。
「いなくなるでしょ」
「そうよね、子供を谷に突き落としていたら」
「這い上がった子も大怪我してるし」
「その少し後で死ぬかも知れないし」
「その後も無事に育つか」
 このこともというのだ。
「わからないわよ」
「子供は多い方がいいわね」
「そんな選別していたら」
「どんどん減って」
「子供がね」 
 それこそというのだ。
「いなくなるわよ」
「そうなるわね」
 それはとだ、コゼットも言った。
「だからしないわね」
「スパルタ人も少なかったでしょ」
「絶対にそうよね」
「そんなことしたいたら」
「それでモンゴル人は」
「草原で生きていたら普通にそうなるから」
 ナンの返答は変わらなかった。
「だからね」
「別になのね」
「そんなことしてないわよ、それでそうしていてね」
「スパルタ人より強かったのね」
「絶対にね」
 そうだったというのだ。
「自信あるわ」
「だからあんな世界帝国も築けたの」
「無敵のね、そもそもあの戦い方って」
 スパルタ人のそれはというのだ。
「集まって戦うね」
「あの鎧兜で武装した」
「あれは後ろに回られたら弱いでしょ」
 正面から攻められても強いがというのだ。
「そうでしょ」
「振り向くのも難しそうね」
「だからね」
 それでというのだ。
「モンゴル、紀元前だから匈奴の前?」
「遊牧生活はじめた最初の頃?」
「その頃でもね」
「勝てたのね」
「そうだったと思うわ」 
 こう言うのだった。
「ご先祖様はね」
「そうなのね」
「それでそのままね」
「匈奴からモンゴル帝国になったのね」
「生活は変わってなかったから」
 草原でのそれはというのだ。
「ただチンギス様が出られて」
「英雄の登場ね」
「それで一気に変わったのよ」
「一人の英雄が草原を統一して」
「そしてね」
「あっという間に大帝国を築いたのね」
「そうだったのよ、それで如何にスパルタ人といえど」
 精強で知られた彼等でもというのだ。
「無理してやってる様じゃね」
「自然体でそうしているモンゴルには勝てなかったのね」
「そう、女性もね」
「戦えたの」
「まあ弓矢は使わなかったけれど」
 それでもというのだ。 
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