イベリス
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第十九話 両親と姪の会話その二
「じゃあモコも一緒にいる?」
「ワンワン」
「深刻なお話にはならないしね」
「なるかも知れないわよ」
ここで咲の母が言ってきた。
「若しかしたら」
「そうなの」
「愛ちゃん次第でね」
「いや、私お腹にあるもの全部話すけれど」
それでもとだ、愛はモコを床の上に戻しながら応えた、モコはそこでじっと彼女を見上げてへっへっへ、と舌を出して尻尾を振っている。
「別に疚しいこととかね」
「ないの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「別にね」
「悪いことはなの」
「ないから」
それでというのだ。
「深刻なお話、厳しいお話にはね」
「ならないの」
「ええ、じゃあお茶飲みながら」
「お話しましょう、あとご飯食べた?」
「ええ、来る前にお家でね」
「食べて来たの」
「そうしてきたわ」
こう咲の母に答えた。
「だからね」
「お腹は空いてないわね」
「そうなの」
「こちらも食べたしお父さんも食べて来るっていうし」
そうしてくるからだというのだ。
「そっちの心配はいいわね」
「そうね、それじゃあね」
「お茶とお菓子出すから」
それでというのだ。
「飲んで食べながらね」
「お話ね」
「それに入りましょう、紅茶でいいわね」
「有り難う、叔母さん」
愛は咲の母に笑顔で応えた。
「自分で淹れるわ」
「お客さんなのにいいわよ」
「いや、自分のことは自分でね」
「遠慮はいらないわよ、図々しいの嫌いだし」
「そこは変わってないわね」
母は姪の言葉にそれはと頷いて応えた。
「叔母さん安心したわ」
「他の人の家で自分からお茶とか煎れろとか言うとか」
咲と携帯で話したことを思い出しつつ彼女の母に話した。
「そういうの嫌いだし」
「図々しいことは嫌いだから」
「だからね」
「自分で淹れるっていうの」
「そうするわ」
「そこはいいわよ、叔母さんがいいって言うから」
それでとだ、愛に対して言った。
「遠慮しないで」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「遠慮は無用でね」
「淹れてくれるのね」
「叔母さん達の分も淹れるから」
「それじゃあね」
そこまで言うならとだ、愛も頷いてだった。
三人で紅茶を飲みクッキーやチョコレート菓子を食べながら話した。そこで咲は母と共に愛と腹を割って話したが。
彼女の話を聞いてだ、先の母は言った。
「よかったわ」
「私が変わってなくて?」
「ファッションは派手でもね」
このことは事実でもというのだ。
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