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八条学園騒動記

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第六百二十七話 変わらないモンゴル人その十一

「あそこはね、ずっと停滞していたし」
「国が狭くて」
「それもあってね」
「だからエウロパとは」
「比べてもね」
「仕方ないのね」
「そう思うわ、けれどそうしたワイルドだけれどスローな生活も」
 遊牧民のそれについて思った。
「悪くないのね」
「私としては最高よ」
「そうなのね」
「だから一度ね」
 それこそというのだ。
「そうした生活をしてみることもね」
「悪くないのね」
「そう思うわ、ただ一生になると」
 そうした生活がというのだ。
「難しいでしょうね」
「慣れ親しんでいないと」
「モンゴル人でないとね」
「そうなのね」
「ええ、けれど一度ね」
「やってみたらいいのね」
「そう思うわ」
 こうコゼットに話した。
「そうもね。それはそれで気持ちいいのよ」
「自然、草原の中で暮らすことも」
「そう、まあおトイレはね」
「外ね」
「そうだけれどね」
 このことはどうしてもというのだ。
「簡易式のおトイレもあるけれど」
「それでもなのね」
「基本はね」
「外ね」
「そこでしてるわ」
「そこもワイルドね」
「そう言われると否定出来ないわ、ただ」
 ナンはさらに言った。
「それが昔からだからね」
「モンゴルだと」
「そう、おトイレなんて」 
 それこそというのだ。
「今は簡易式あってもね」
「ずっと外だったから」
「今でも簡易式でもゲルの中でしたら」
「あれテントだからね」
「よくないからね、おトイレ用のゲル張ることも出来るけれど」
「しない場合もあるの」
「そう、そうした時はね」
 どうしてもというのだ。
「やっぱりね」
「お外でするのね」
「そうしてるの。あとちゃんと拭くから」
「それは言わなくていいわよ」
 コゼットはナンの今のリアルな話には苦笑いになって返した、そうした話はどうしてもというのだ。
「別に」
「不要だった?」
「ちょっと以上にね」
「まあそれは紙か草でね」
「だからいいって」
 やはり苦笑いで返した。
「そうしたお話は」
「そうなの」
「そこまでは聞かないから」
「そうなのね」
「重要な話だけれど」
 こうしたこともというのだ。
「それでもね」
「言わなくていいのね」
「別にね」
「そうなのね」
「ええ、食べてるし」
「それね」
「そう、だからね」
 このことがあってというのだ。
「いいわ」
「そうね、食べてるとね」
「そうした話はね」
 どうしてもというのだ。
「引くわ」
「じゃあ止めるわ」
「というかナンそうしたところ気にしないわね」
「ううん、草原にいるとね」
「こうしたこともなの」
「お外で普通に見るから」
 またこの話をした。
「続けることになるけれど」
「それでなの」
「他の国の人より気にしなくなるわ」
「そうなのね」
「まあ食べてる時は嫌よね」
「といってもやってるしね」
 コゼットはここでも苦笑いで応えた。
「それじゃあ聞かせてもらうわ」
「いいのね」
「仕方ないわ」  
 話が続くならというのだ。
「それじゃあね」
「ええ、じゃあ草原のディープなお話をね」
「してくれるのね」
「具体的にどうかをね」
 こう言ってだった。
 ナンは草原の料理を食べつつコゼットにその草原の話をしていった。そこでの生活が一体どういったものかということを。


変わらないモンゴル人   完


                2021・7・9 
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