| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

見えなくても幸せに

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第三章

「目は」
「そうなのですね」
「大変なことがあって」
 それでというのだ。
「そうなりましたが」
「今はですね」
「何とか幸せになれる様に」
「もうなっていますね」
 ジョアンナは二匹を見て話した。
「毛並みがよくて表情も穏やかで」
「それで、ですか」
「尻尾も元気に振っていますし」
 二匹共というのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「大事にされていますね」
「少なくとも不幸になる様なことはしていないつもりです」
 アンガスの前の飼い主の様なことはというのだ。
「決して」
「その気持ちが出ていて」
「それで、ですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「幸せになっています、では」
「それではですか」
「これからもです」
 是非にと言うのだった。
「幸せにしてあげて下さい」
「そうなる様にします」
 ジョアンナに確かな声で約束した、そしてその場にいる間。
 彼も一家もアンガスとアーチャーをスマイリーと遊ばせた、三匹はとても幸せに遊んだ。そして一家は。
 帰る時になるとジョアンナ達と笑顔で別れた、再会を約束して。
 そして家に帰ってだ、夫は妻に話した。
「行ってよかったな」
「そうね、アンガス達ものびのびと出来て」
「あの子にも会えてな」
「本当によかったわ」
「また行こう」
「そしてね」
「アンガス達に喜んでもらおう、そして家でも」 
 そこでもというのだ。
「これからもな」
「二匹をね」
「幸せにしていこう」
 こう話してだった。
 一家は二匹を散歩に連れて行った、アーチャーだけでなくアンガスもすっかり落ち着いて家族を信頼していた。そうして散歩に尻尾を振って出発した。


見えなくても幸せに   完


                 2021・8・24 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧