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レーヴァティン

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第二百十六話 王国の終焉その十二

「空船からもな」
「爆撃をしてね」
「敵軍を攻めてそこから降下させるぜ」
「軍勢をね」
「舞空の術を使える者もな」
 空船だけでなくというのだ。
「攻撃に参加させてな」
「空からも攻める」
「そうするな」
「ではね」
 剛は微笑んで頷いた、だがここで。
 雨が降って来た、雨の話をしたところでそうなった。それで久志は全軍に一旦船内に戻る様に命じ。
 自分もそうした、かなり強い雨で船内からも雨音が聞こえた。
 だがその雨の音を聞いてもだ、彼は冷静に言った。
「雨の後は晴れる、か」
「そうよ」
 清音が応えた。
「止まない雨はないわ」
「そうだよな」
「だから雨が降ってもね」
「待つだけだな」
「しかもこの雨は強いから」
「強い雨はすぐ止むからな」
「待てばいいわ」 
 止むのをというのだ。
「それだけよ」
「そうだよな」
「雨が止む頃には」 
 清音はさらに言った。
「もう艦隊は対岸を囲んでいるわ」
「それだったらな」
「止むのと同時にね」
「攻撃にかかるか」
「大砲を乾かして」
 そうしてというのだ。
「それからよ」
「攻めればいいな」
「それだけよ」
「そうだな、じゃあ昼になったらな」
 久志はその時のことも話した。
「いいな」
「ご飯ね」
「ああ、ちゃんとな」
「お昼はね」
「雨だろうが何だろうが」
 天候に関係なくというのだ。
「食わないとな」
「そう、それじゃあね」
「食うぞ、そうしながらな」
「先に進んで」
「雨が止むまでに」
「湖岸までいくわね」
「そしてそこにいる敵軍をな」
 その彼等をというのだ。
「雨が止んだら」
「そうしたらね」
「攻撃を加えて」
「上陸ね」
「そうするな」
「じゃあね」
「ああ、昼はちゃんと食うな」 
 このことも忘れないと言ったのだ、そうして久志は艦隊を雨の中でも進ませた。天候がどうでも戦いは進んでいた。


第二百十六話   完


                 2021・7・1 
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